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2016年10月7日

睡眠薬(3) その他

その昔、睡眠薬といったらバルビタールを代表格とするバルビツール酸系を指したものだった。今はほとんど使われてないと思う。
推理小説や映画その他で、いつも飲んでいる睡眠薬をまとめ飲みして自殺を図るとか、いつも飲んでない配偶者に飲ませて昏睡させるとか、に用いられていたのがこの類。飲んだらやめられなくなる(依存性がある)危険性もあって、使い方が難しい薬だったのだね。
睡眠薬=怖い、というイメージは、バルビツール酸系の薬によって育てられたのだった。今よく使われている睡眠薬は、そんな怖さはありません。もちろん副作用がないわけじゃないけど、普通の薬並み(笑)。

逆に新しいタイプの睡眠薬もある。神経刺激全般を抑制してぼんやりさせる感じが今までの睡眠薬だったわけだけど、睡眠のメカニズムに着目して、眠くなる/起きにくくなるもの。

ひとつはメラトニン受容体アゴニストのラメルテオン(ロゼレム)。人間には体内時計なるものがあって、だいたい24時間のリズムを刻んでいるんだけど、「眠りましょう」のチャイムとなるのがメラトニン。メラトニンを出やすくすれば、もっと眠くなるわけだ、というわけで開発されました。お薬をやめてもリバウンドが出にくいという特徴を持ちます。
個人的にはロゼレムの箱が好きー。いかにも不眠症の薬、というパッケージなんだよー。医療用医薬品は一般消費者の目に触れるものじゃないから、製品名と会社名を書いとけばいいんだろ、的な箱がほとんどなのだが、ロゼレムは絵入りで覚えやすいんだよー。(絵がなくても覚えろって)

もうひとつが数年前に登場したオレキシン受容体アンタゴニストのスボレキサント(ベルソムラ)。こちらは「起きましょう」チャイムのオレキシンが出にくくなるようにすることで眠れるようにする。中途覚醒型不眠に向いていますね。

従来型の睡眠薬に比べると、効きが弱い!と言ってる患者さんが多いように感じるが、これで効けばこっちの方がいいのかもしれない。純粋に「睡眠薬」と言えるのは新しいタイプのようにも思う。とはいえもちろん、新しい薬がいつも優れているとはいえないわけだけど。

さて、睡眠薬はとりあえず終わり。問題は次だよな・・まずは睡眠薬に近い抗不安薬から。ううう。

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