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2019年2月28日

思い出の本(と食べ物):カロリーヌとおともだち

2019年2月現在朝日新聞朝刊で連載中の「ひこばえ」(重松清)の主人公はAJと同世代。連載開始時の子供時代は、団地住まいや大阪万博等あるある感満載だった。連載がだいぶ進んでから、主人公が図書館で巡り合い、子供の頃を思い出したのが、カロリーヌの絵本。あるあるー!

とっくに絶版の「小学館オールカラー版世界の童話(12)」に収載されていたもの。AJ世代が親になった頃に再発行されており、「ひこばえ」ではそれが図書館にあったという設定になっていた。再販世代が親になった時(=AJ世代が祖父・祖母になる時)にも出るかなーと思っていたけど、それはないみたい。さすがに話が古くなったか。世界の童話シリーズは絶版だけど、カロリーヌ絵本自体はビーエル出版株式会社から今でも買うことが出来ます。

AJがこれに出会ったのは幼稚園児の頃。ひとり夢中で見入っている写真がアルバムに残っています。本が好きになったのも、外国に憧れて語学を熱心に勉強したのも、実はこの本との出会いが大きかったのかもしれない。
犬・猫・熊・豹・ライオン!の「おともだち」もカワイイのだが、なんといっても赤いサロペットのカロリーヌ。どうみても子供なのだが、やることは一人前の大人。「おともだち」を連れて別荘に避暑に行ったり、宇宙船!を操縦したりする。他人としての大人は出て来るけど、パパ・ママに当たる人物は登場しない。ていうか言及すらない。他の絵本のお姫様とは全然違ってカッコイイのだ。

そんなカロリーヌ絵本で、AJが最もよく覚えているエピソードはしかし、スパゲティを食べているシーン。山キャンプのごはんとして、スプーンとフォークを使って!スパゲティを食べていたんだよう。検索すると同じ理由でこのシーンを覚えている仲間がいっぱいいて嬉しい。「ひこばえ」の主人公は違ったようだけど(笑)。
当時スパゲティは珍しいとまでは言えないけど、洋食屋さん(或いはデパートの大食堂)で食べるもので、家で食べるものではなかった、と思う。ましてやキャンプでスパゲティなんて。キャンプと言ったら飯盒でカレーよね。
本は手元にないけど、画像検索結果から察するにトマトだけのスパゲティらしい。当時の日本では概ね、ナポリタンとミートソースしかなかったけど、ナポリタンだと自分では思ったのかなぁ。スパゲティに驚きはなく、スプーンとフォークが新鮮だった。
というわけで、カロリーヌのスパゲティを再現してみました。でもトマトソース(市販)をからめただけでは寂しかったので、ミニトマトを足しちゃった。スプーンとフォークも添えたけど、これは撮影用で自分はお箸で食べました(笑)。
同じ本でキャンプの朝食には、クロワッサンとカフェオレとなっていて、とてもフランスぽい。でもこちらは幼いAJには、菓子パンとミルクコーヒーに見えたのか、全然記憶に残っていないのでした。

2019年2月26日

花粉症の薬(3) 小青竜湯

漢方薬はどこかでまとめて、と思ってたんだけど、まとめると大きくなりすぎていつまで経っても書けない気もするので、書ける所から書くことにする。

花粉症用で漢方というと小青竜湯。正確な適応は製造会社にもよる(漢方薬は、同じ名前でも会社によって中身が違う→効能が違う場合があるのだ。まぁだいたい同じではあるんだけど)が、「水っぽい鼻水や痰を伴う咳」の症状がある風邪やアレルギー性鼻炎、気管支喘息など。

wikiには四神の一つである青龍を由来とする青龍湯の内、軽い方の処方(重い方は大青龍湯)と書いてある。麻黄の色の青さからとも書いてあるけど、麻黄は青くないと思う・・・青=緑だとしても、麻「黄」て位だから、黄色いんじゃないの??ま、四神の名前を付けるんだから、それだけメジャーな良く効く処方と考えていいんだろう。

配合されているのは、半夏(ハンゲ)、 甘草(カンゾウ)、 桂皮(ケイヒ)、 五味子(ゴミシ)、 細辛(サイシン)、 芍薬(シャクヤク)、 麻黄(マオウ)、 乾姜(カンキョウ)。
麻黄→エフェドリンがあるから、気管支喘息とか(むしろ咳?)に効くのは想像付く。甘草→グリチルリチンで去痰剤もわかるが、なにが水っぽい鼻水なのかなぁ。漢方薬は西洋薬のように単純じゃないから覚えにくいんだよ。ぶつぶつ。うろうろ検索していたら、青龍は春を司る神だから冷たい水を温めて治す、と書いてあるサイトがあった。おお、これなら覚えやすいよね。

2019年2月25日

どちらでもなくなかった

蓋を開けてみれば圧倒的な反対多数。こうなると「どちらでもない」を追加した意味があったのか、疑問になってしまったが、これはこれでいいの。
あとは示された「民意」にどう向き合うのかってことよね。政府だけの問題ではなく、AJ自身の問題としても。イヤだと言ってるだけじゃダメだという意見もあるが、イヤなものはイヤだとまずは言わないとダメだと思う。いきなり諦めるとか我慢するとかじゃなくて。
東京(+千葉+神奈川)としては、東京湾に何か作るってどう?今から飛行場を作ってもオリンピックには間に合わないけど。住宅は選手村跡地を使ってもらうとかして。騒音とか事故とかも近くに来れば実感できると思うし。東京都民はもっと高率で反対するかな。湾岸部の地価が下がるとか言うんだろうな。

ゼロ年代の50冊(5)

半分まで来た。予定通りの推移。今回も2分冊が1タイトルだけだったのだが、この2分冊が枕な厚さで手こずりました。14分冊を終わらせるつもりがそうはいかなくなった。でも次回は9分冊が控えているので早く残り2冊を終わらせないとなぁ。

(21) 1968(小熊英二/新曜社):学園紛争ってそうゆうことだったのか、といろいろ学ぶことは多かったのだが・・・これが問題の枕2冊。厚すぎだろ。当事者の方達は読まない気がするし、今の若者も読まないと思う。良く描けているんだろうとは思うんだけど、あまりに厚過ぎてお勧めしかねる。

(22) 「格差」の戦後史(橋本健二/河出ブックス):格差の拡大は80年代から既に始まっていたことを統計資料を元にきちんと説明するもの。フリーターとかハケンとか確かに当初は「新しい働き方」と言われてたもんなー。昨今の「働き方改革」もなんか同じ匂いがするよなー。

(23) 母の声、川の匂い(川田順三/筑摩書房):江東区高橋出身の著者が子供の頃や昔の深川を調べたりして書いたエッセイ。在りし日の深川らしくはあるのだが、散らかっててあまり感心しなかった。

(24) 輝く日の宮(丸谷才一/講談社):三度目か四度目。丸谷先生は好きな作家で中でもこれは好き。出版して割と近くにハードカバーで1回、文庫化されてから何度か読んだ。だから筋やいくつかの描写はしっかり覚えていたのだが、これ00年代なんだっけ?もっと若い頃に読んだ気がしてた(笑)。表題は源氏物語の失われた?段名。文学や歴史がらみ等などいろんな会話がお洒落で、こんな恋愛関係に憧れてたよなー(笑)。

(25) ブーバーとショーレム(上山安敏/岩波書店):第二次世界大戦以降のユダヤ学について。著者は法学/哲学系の学者だが、ユダヤは専門じゃないのだそうだ。しかしマニアックすぎな気が。良い本なのだろうが、その良さが実感できる人は相当少ないのでは。ここでもナショナリズムとポピュリズム。イスラエルは進んでいる分、その先、が見えるのかも。でもちょっと特殊な国だからなぁ。イスラエル建国はホロコースト以前から具体的な話になってたのは知らなかった。勉強にはなる。

2019年2月19日

花粉症の薬(2)『鼻炎薬』

AJ個人的には、『鼻炎薬』は『花粉症の薬』とは思ってないんだけど、店先には並んで売られているんだよなぁ。いや花粉症に効かないわけじゃないんだけどさ。

『鼻炎薬』というのはAJ定義ですが、パッケージに「鼻炎薬」と書かれてはいる。「鼻水・鼻づまり」と大書してある場合が多い。成分としては、第一世代抗ヒスタミン薬+アドレナリン作動薬(+その他)な薬。

第一世代抗ヒスタミン薬は、第二世代抗ヒスタミン薬(=いわゆる花粉症薬)が出る前からある薬(そりゃそうだ)。
鼻水やくしゃみは、ばい菌等の外から来た悪い(ような気がする)モノ(=抗原)を体外に追い出そうとする免疫反応の一環。「出してー」という合図(NHK的に言えばメッセージ物質)として使われるもののひとつがヒスタミン。風邪とかの場合の鼻水やくしゃみは意味があっても、花粉は追い出さなくても平気なので合図は止めてしまいたい。そこでヒスタミン受容体(より正確にはH1受容体)にくっついてヒスタミンメッセージを受け取らないように邪魔する抗ヒスタミン薬の登場、というわけだ。
第一世代は第二世代よりも、H1受容体選択性が弱い=アセチルコリン受容体にもくっついてしまう=口渇や眠気等の副作用が出やすい(抗コリン作用)=緑内障や前立腺肥大症には禁忌。
だったら第二世代の方がいいじゃん、と言われそうだが、第一世代の方がすぐ効く、強く効く、と言う利点はあるのだ。眠くなるのも、感染症による鼻炎の場合にはむしろ好ましいと思うし。かゆみ止めとして使う場合も、深く眠れる方が寝ながら掻かなくて済むという利点になりうるのだ。ま、花粉症では取り柄にならんけどな。
具体的な薬剤名は、圧倒的にクロルフェニラミン(ポララミン)。メキタジン(ゼスラン)もある。・・・あれっ。メキタジンはどうやら第二世代の扱いになってるんだな。メキタジン配合のアルガードは、「アレルギー性鼻炎」にも効くって書いてあるし、セルフメディケーションマークも付いてる。メキタジンが第一世代なのか第二世代なのかはビミョーなんだけど、他の第一世代よりも副作用が弱いとは言えるな。

もうひとつの主成分、アドレナリン作動薬は、鼻づまりを解消するための薬。
アドレナリン受容体を刺激する(或いは、直接にはノルアドレナリンを放出させることで間接的にアドレナリン受容体を刺激する)薬剤。アドレナリン受容体については、降圧剤についてまとめた時に書いた。アドレナリン受容体を邪魔する薬についてはアドレナリン受容体のタイプに応じてαブロッカーとかα遮断薬とかいう方が普通なのに、刺激する方については、タイプ別に分ける呼び方は普通しない。対にした方が覚えやすいのに。ぶつぶつ。
降圧剤と逆の動きをする薬=血圧が上がる。鼻づまりが解消するのも実は、炎症を起こして充血していた鼻粘膜の血管を収縮させることによる。だから高血圧さんにはお勧めできない。アドレナリン作動=闘争と逃走=心拍も上がるし、血糖値も上がるから、心臓病さんや糖尿病さんにもお勧めできない。処方箋の時は慎重投与扱いなのであまり気にしなくて良かった(処方箋を書いた医師が判断済だから)けど、市販薬の場合はお客様が判断することになるので、「飲んではいけません」と安全サイドに倒さないといけないんだな。
具体的な薬剤名は、プソイドエフェドリンが多い。これってディレグラ配合錠に入ってたやつね。あとフェニレフリンとか。

どっちも強めの薬なので良く効くとはいえるのだが、鼻水ごときのために長く飲むのはリスク高すぎだと思うな。風邪とか感染症に対する薬としてはアリだと思うけど。
初めての症状でまだ花粉症かどうかわからない場合の数日様子見用か、いつもは薬なしで我慢してるけどここ数日だけなんとしても止めたい場合とか(でも眠くなるから受験には向かないな。お見合いとか?) 。
やっぱり花粉症には、第二世代抗ヒスタミン薬だね。或いはそっか、症状がひどすぎる/こじらせちゃった時に、こっちに切り替えるのはありなんだな。併用はダメだけどいつもの薬をお休みすればいいもんな。

2019年2月17日

(予告)気まぐれ読書メモ:新シリーズ始めます

47都道府県和菓子が終わってから、食べ物の話題が減っていて我ながら寂しい。「今週の和菓子」や「家庭で出来る和洋菓子」もまだまだ書くことがあるんだけど、お菓子ばっかりもちょっとねぇ。

読書メモの方は、ゼロ年代が終わったら、ガーディアンリストを始めることに決めている。ガーディアンリストを眺めていると、昔読んだ本も結構あるけど、同じシリーズ或いは同じ作者或いは同じカテゴリーの本で、あっちの方が気に入ってるのに、というものも結構ある。眺めている内に、リストになくても昔読んだ本を読み直したいな、という気になってきた。

新シリーズのタイトルは「思い出の本たち」にしようと最初は思った。けど考えてみると、再読したらつまらなかったとか時代遅れの話になってたとか、そうゆうことになる気がするよなー。今でもお勧めの本は多くないだろうなぁ。手に入る本も少ないかもなぁ。そんな話を書いてもどうかなぁ・・・

そこで、違う意味で記憶に残っている「食べ物関連」を中心に据えることにした。当時はこれって何?と思いながら読んだものを新訳で読んだら/wikiで調べてみたら全然違うじゃん!なものが既にいくつかあるのよ。だから新シリーズの名前は「思い出の本(と食べ物)」に決定。食べ物関係ないけどお気に入りの本/お気に入りじゃなくても食べ物が気になった本も登場する予定。2月中には第1回開始する・・・たぶん。

2019年2月13日

花粉症の薬(1) 「アレルギー専用鼻炎薬」

血液検査データについてはまだ少し続きがあるんだけど、季節柄気になることを先に書くことにした。

そろそろ花粉症の季節ということで、ドラッグストアには花粉症コーナーが出来ているんだけど、ここにAJ定義では『鼻炎薬』にあたるやつが一緒に並んでいるのが気になっていたのよね。
花粉症はアレルギー性「鼻炎」なんだから、『鼻炎薬』でも効くんだけど、でもいわゆる『花粉症薬』とは違うので、並べておくのは紛らわしくないか・・?
もっとも、花粉症コーナーに「一緒に」並んではいるけど混在はしてなくて、棚の段は違う。数店偵察してみたけどどこも同じ感じだった。花粉症の薬は、銘柄指定で買いに来る人が圧倒的に多いので、下の段に少し違う薬があっても誰も困らないのか。そうかも。

AJ定義では『花粉症薬』というと、まずは第二世代抗ヒスタミン薬。
フェキソフェナジン(アレグラ)、エピナスチン(アレジオン)、ロラタジン(クラリチン)、ケトチフェン(ザジテン)など、ドラッグストアでも処方箋医薬品と同じく単剤かつ同じ名前で売られているものが殆どなのがありがたい。セチリジンはストナリニZとかコンタックZとか。先発のジルテックはないけど”z”だからジルテックと覚えるのも簡単。
第二世代抗ヒスタミン薬は第一世代に比べて、眠気や口渇等の副作用が出にくい。が、第一世代より効くのに時間が掛かる。花粉の飛び始めから終了までずっと飲み続けるのが正しい飲み方。

でもー。病院の処方薬でも毎日は飲んでない人がいた。ドラッグストアで買う人が毎日飲んでくれるのか疑問。結構お高い薬だからなー。ま、病院に行くまでの繋ぎ、と買って行く人も多いからな。それで銘柄指定が多いのかも。初めて飲むという人には、すぐ効くわけじゃないことと、花粉期間終了までずっと飲むべきものだということは伝えないとだな。

店頭の第二世代抗ヒスタミン薬は、「アレルギー専用鼻炎薬」と書いてあるものが多い。
処方箋医薬品は蕁麻疹とかの皮膚炎にも効能があるんだけど、市販品は鼻炎のみになっている。ま、言いたいのはそこではなく、風邪とかの鼻炎用じゃないからね、ということなんだろう。即効性に欠けるので、風邪では効く前に治ってしまうもんな。製品名に「AL」が付くのが多いのも、「アレルギー用」ってことなんだろう。

AJ定義の『花粉症薬』の第二は、抗ロイコトリエン薬(プランルカスト(オノン)、モンテルカスト(キプレス・シングレア))だけど、こっちは市販薬は出ていない。
花粉症治療ガイドラインでは、鼻づまりがあったら抗ロイコトリエン薬を足す、となっていたから、第二世代抗ヒスタミン薬だけじゃ鼻づまりに効かないと思ってたけど、鼻づまりにもそこそこ効くんだって(モノにもよる)。しかし重症化してると厳しい気がするね。

第一世代より眠気が少ないとは言っても、お薬によるし、個人差も大きい。一般的には、アレグラとクラリチンが眠気が少ないと言われている。
最近、「テレビのコマーシャルで眠くならないって言ってた」とクラリチンを買いに来るお客様が多いのだが、コマーシャルはちゃんと「眠くなりにくい」と言ってますぜ。

2019年2月8日

肝炎ウイルス検査 (HBs/HCV)

ちょっと毛色が違うので一緒くたに書くか少し悩んだのだが、まぁ肝臓系の検査項目には違いないやと思って書いてしまうことにした。これはしょっちゅう測る項目ではなく、たまの検診とか肝炎が疑われる場合に測るような項目。

肝炎(=肝臓の炎症)にはいろんな原因があるけど、この項目の対象はウイルスを原因とする肝炎。ウイルス性肝炎にもいろいろあって、日本で多いのはA型、B型、C型の3つ。そして血液検査の項目はB型とC型。

と、思ってたけど、調べてみたらBやC以外も検査は出来るんだな。なんでAは検査しないんだろ?A型肝炎は急性症状が出るから定期検査で見る必要ないのか。そうかも。

ちなみにA型は経口感染(食物から感染)で、衛生環境の良くない地域ほど感染しやすい。が、日本でも毎年一定数は患者が出ている。急性肝炎症状が出るものの、ひどくなる(劇症肝炎)ことは少なく、治った時には強力な免疫(HA抗体、Hepatitis A=A型肝炎抗体)を獲得出来ているので、二度とかからなくて済む。

本題に戻って、先にC型肝炎の検査から。
C型は血液からの感染。ウイルスが知られてなかった昔は、輸血や血液製剤経由の感染があったけど、今となっては感染者周囲での針刺し事故や針の使い回しなど限られた状況での感染しか考えられない。長い間をかけて慢性肝炎から肝硬変、肝臓がんと進み、自覚症状が出た頃には手遅れ、になりやすい。
検診ではHCV (Hepatitis C Virus=C型肝炎ウイルス)抗体の有無を検査する。抗体がある=C型肝炎にかかっている可能性が高いので、精密検査に進まなくてはならない。C型肝炎には良く効くお薬があるけど恐ろしく高い。でも専門の医療費助成制度がある。
覚えにくいのは、なぜかC型だけHC抗体ではなくHCV抗体ってVが付くところ。なんでだろ、みんなウイルス性なのに。HCVだとHIVの仲間な気がしてしまうぞ。HIVは、I型肝炎ウイルス、ではなくてHuman Immunodeficiency Virus(ヒト免疫不全ウイルス=いわゆるエイズ)のこと。ウイルス性肝炎はV抜きで徹底すればいいのに。ぶつぶつ。

さて、次はB型肝炎。
B型肝炎も経口ではなく血液や体液を経由して感染する。ウイルスが知られていなかった昔に、医療現場で感染が広がったのはC型と同じだけど、B型は集団予防接種時の注射器の使い回しが原因とされている=感染者が多い。「B型肝炎訴訟」って聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。他に垂直感染(母子感染)もある。(今は出生時に感染ブロックするので罹患はしない)
B型はC型と違って、何もしなくても治ってしまうことが多いし、症状もさっぱり出ない場合が多い。とはいえ、A型のように急性肝炎になる場合もあるし、何よりC型のように慢性肝炎から肝臓がんに進む場合もあるので、甘く見てはいけない。

さて、B型が面倒なのは、ウイルス検査の型がいろいろあるからなのよ。
一番ポピュラーなのが「HBs抗体」の検査。HBはHepatitis B(B型肝炎)の略で、"s"はsurface。HBs抗体が陰性であれば、B型肝炎に罹っていないと断言できる。
AJはHBs抗体陽性。一昨年、転院した病院で「ワクチンを受けましたか?」と聞かれたのでびっくりしたのだったが、過去のデータを調べてみたら、前の病院でも人間ドックでもHBs抗体陽性の結果が出ていた。今まで指摘されてなかっただけだった。
なんでかというと、HBs抗体陽性=「B型肝炎に感染したことがある」というだけで、今も感染しているとは言えないのだ。AJの年代ではHBs抗体を持っている人は多いらしく、他の病院ではたぶん抗体だけだろ、と思ったのかも。
HBs抗体陽性の場合、見るべきなのがHBs抗原の検査。HBs抗原がある=B型肝炎ウイルスが今現在存在するということなので、これは治療しなくてはならない。AJはこちらは陰性。知らない間に掛かって、知らない間に治ってたらしい。やれやれ。
つまりHBs検査陽性って言っても、HBs抗体なのかHBs抗原なのかで問題度は全然違うわけで注意が必要。 もっとも、若者はHBs抗体陽性だけでもなんでー!と心配していいかも。

B型肝炎ウイルス検査としては他に、HBc抗体/抗原の検査もある。こちらはHBsと似てるんだけど、ワクチン接種の場合はHBs抗体は出来るけどHBc抗体は出来ないという違いがある。更にHBe抗体/抗原の検査では、B型肝炎ウイルス量=感染力がわかる。この辺は、ワクチン接種した時とか、B型肝炎感染中!となった時にしか調べないんだと思う。少なくともAJは受けたことない。

どちらでもない

あと2週間ほどとなった沖縄県民投票。「賛成」「反対」に加えて「どちらでもない」って。

結論を出したい時に「どちらでもない」の選択肢を入れてはイケナイことはアンケート作成の常識で、同じ玉虫でも「どちらかといえば賛成」「どちらかといえば反対」にするのが普通なんですけどね。要は、「『賛成』は少ないじゃん!」という結論にしたいんだろうな、と思っていたんだけど。

でも最近、必ずしも結論を急ぐわけではなく、県民の意見を聞きたい、という意味ではありなのかもと思い始めた。
英国のEU離脱もヒラリー対トランプも、「どちらでもない」も入れて三択だったら、もう少し違った世界になっていたかも。多数決で白黒付ければそれでいいとは限らないしな。
それに現地で、アンタはどっちに入れたんだ!と詰問された時に、「『どちらでもない』に入れた」と回答できるのは便利な気がするし。

どっちにしても日本らしい三択。結果がどう出るのか興味津々です。