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2014年11月23日

ごかぼう(食品番号:15047)

和干菓子ってなんか殆ど駄菓子な気がする今日この頃。

ごかぼう(五家宝)って関東地区の人なら知っていると思うが、メジャーなお菓子じゃないんだな。MS-IMEでは変換してくれない。
AJにとっては昔スーパーとかでも売っていた駄菓子、なのですが、wikiによると埼玉県の銘菓。
食品成分表の定義は「おこし種に砂糖及び水あめで作った蜜(みつ)を混ぜて円柱状に丸め、きな粉に砂糖、水あめで作った蜜(みつ)を加えて混ぜた外皮でくるみ、きな粉を敷いた台上でころがしながら細い棒状に延ばし、切ったものである。」

たぶん写真を見た方が早いね。
「おこし種」というのは、おこしの元ですね。プチプチ丸いライスパフみたいのが写真からもわかると思うけど、これのこと。
写真は熊谷市の紅葉屋本店のものですが、私の認識よりずっとお上品なお菓子になっていました。素朴な味ではあるけれど、これなら駄菓子と言わなくていいな。

でもスーパーで売っていたのは、こんなじゃなくてもっと駄菓子な味で、しかも色が緑だった。どっかで売ってないかな・・・と探していたら隣の駅のスーパーであっけなくみつけた。「ソフト五家宝」という名前になっていた。そうそうこの色。
ついでに駄菓子コーナーでみつけた「きなこ棒」も一緒に写真を撮ることにしました。

「ソフト五家宝」は見た目は抹茶味みたいですが、食べるとかすかに黄粉の味がします。
うぐいす粉(青大豆粉) をイメージしたらしい。実際には着色料の色なんですが。抹茶の味はしないし抹茶は入っていません。黄粉の代わりに白砂糖がたっぷりかかっていて劇甘。ザ駄菓子!という甘さです。「ソフト」というだけあって柔らかい。
対して「きなこ棒」の方は、五家宝の外側部分と同じ味。おこし種は使っていないのでプチプチ感はなく、食感も堅め。素朴な駄菓子味。おこし種を使ってないから、こいつは五家宝とは名乗れませんね。味はずっと似てるんだけどな。

なんで五家宝という名前なのか、wikiに諸説がありますが、「宝」はどうみても当て字だな。最初からこの漢字なら「ごかほう」と読むもの。きなこ棒と同様、ごか「棒」だったのが縁起良く「宝」になったんでしょうね。

優しい甘さの五家宝。1個10g位なので384Kcal/100gは10個食べられますね。満足すると思うな。でもソフト五家宝は砂糖が多くてもっとカロリー高そうと思ったのだが袋の表示を見ると360Kcal程で変わらず。ま、100gあたりのカロリーとしてはご飯の倍以上なんだけどさ。

2014年11月16日

痛みどめ(3)ていうか麻薬

熱は下げずに超強力に痛みを抑えるお薬、その名は麻薬。
滅多に使わせてもらえないのは、効果が強いとか副作用がどうとかいうよりも、習慣性/依存性が強すぎるからだな。癌性の疼痛か術後疼痛でないとたぶん処方されない。薬局でも鍵のついた引き出しに厳重に管理されている。

代表格はモルヒネ(阿片)。
あまり飲まない薬だから商品名他の詳細は省くとして、問題は名前よね。なんで麻薬を麻薬って言うのか。麻薬=麻の薬=大麻(マリファナ)、 と思う人が多いと思うのだが、大麻は麻薬に含まれないのだよ。そうだよね?とwikiに聞いてみる。すると、何を「麻薬」と定義するかによるということらしい。

私の定義では、麻薬=麻薬取締法(正確には麻薬及び向精神薬取締法)の対象となっているもの。これだと大麻は含まれない。大麻には大麻取締法、という別の法律があるから。
どうして別の法律になってるかというとたぶん、麻薬(及び向精神薬)取締法の対象は「医薬品」なんだよね。大麻は医薬品じゃないので別扱いになっているんだと思う。 人体に与える影響って意味では似てるんだけどね。流行の脱法ドラッグこと危険ドラッグも、法律的には麻薬ではない。「医薬品」じゃないからね。
しかし日本ではこういう定義になっていても、海外では同じではないとwikiに書いてある。大麻やコカインも含めて麻薬(narcotic)と呼ぶ方が一般的らしい。・・・ていうか欧米では大麻が医薬品として使われてるのだった。すると別枠にする理由もないよね。日本でも使えるようにすればいいのに。そうすれば麻薬の「麻」って何?と悩まなくて済むのに。(そんなことで悩むのは私くらいか。それもそうだ)

日本の法律上の定義はともあれ、麻薬の「麻」はたぶん大麻の「麻」だろう。繊維として使える麻(アサ)は昔から栽培されていてお薬にも使われてきたから、先に麻薬と言う言葉があって、あとから麻薬に似た他のお薬もひっくるめて「麻薬」と呼ばれるようになったんだろう。中国語でも麻薬は麻薬っていうよね?と辞書をひいてみると、中国語では「毒品」というらしい。中国語で「麻薬」っていうと、麻酔薬のことを指す!
麻薬の「麻」は麻酔の「麻」なのか?だとしても、麻酔の「麻」は大麻の「麻」だと思う。とにかく大麻は古代中国においてお薬として使われていた。wikiによると2700年も前から!

そんなメジャーな大麻だけど、麻薬(広義)の中ではソフトな方ということになっていて、オランダでは今でも合法扱いなのは有名。阿片の方はもっと怖い。イギリスがインドで栽培した阿片を中国で売りさばいて中国(清国)を阿片潰にしちゃったのはそんなに昔のことじゃない。

そういや阿片って何でこんな字なんだろう?と思ったら、英語のOpiumを漢字にしたものなのだそうだ。中国語読み:アーピェン。確かに似てる。鴉片という字もある。読みはほぼ同じ。
明代には阿芙蓉とも言ったのだそうだ。ケシがフヨウに見えたんだろうね。実物はだいぶ違うと思うけど、絵に描かれると似ているかも。

2014年11月9日

痛みどめ(2)

消炎作用は殆どないんだけど、鎮痛と解熱作用はあるお薬。その名をアセトアミノフェン。英語ではなぜかパラセタモールと呼ぶ。ていうか、アメリカとカナダと日本だけがアセトアミノフェンと呼んでいるらしい。

熱を下げて痛みを鎮めるところはNSAIDsと同じなのに、消炎作用はない。だから効く仕組みが微妙に違うんだな、という所まではわかっているけど、どう違うのか実はよくわかっていない(笑)。わかっているのは、胃を痛めたり喘息になったり出血傾向があったり、というNSAIDsの副作用が、アセトアミノフェンだとないということ。お子様にも使えるお薬ということになっている。だからと言って副作用がナイわけじゃないんだけどさ。

医療用医薬品の有名どころはカロナール。薬局で買えるお薬としては、単剤のタイレノールがAJのお気に入りです。


鎮痛解熱薬は、他にもう一つメジャーな仲間がある。ピリン系と言われるやつ。
風邪薬の広告とかに「非ピリン系」と書いてあることが多いせいか、「ピリン系の薬物」なるお薬があり、それは問題があるらしいということは知っている人が多い。
確かにアレルギー症状がでることがあるんだけど、そのために今はあんまり使われてない、ということは知らない人が多い。ゼロではないけどね、ほとんどないよ。AJ感覚的には、NSAIDsを10としたらアセトアミノフェンが1から2、ピリン系は0.1以下だと思う(根拠なし)。今の若い人は飲んだことないんじゃなかろうか。

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熱は下げなくていいから、痛みだけ取れるのないの?→あるよ。それも強力に痛みを取れるやつ。ついでに頑固な咳や下痢も止められたりする。ただし副作用も強力。普通は飲ませてもらえません。次回は、その禁断の鎮痛薬を取り上げる予定。

ちなみに、痛みを取らずに熱だけ下げる薬、てのはない。wikiで解熱薬で検索すると鎮痛剤に飛んでしまう。正しいね。
鎮痛薬は、英語だと analgesic。中国語は、鎮痛薬か止痛薬。
解熱薬は、antipyretic または antifebrile。中国語は、解熱薬の他に、退熱薬とか退焼薬とか言うらしい。熱のことを「焼」で表現するんだな。熱そう。

かりんとう(食品番号:15045-15046)

かりんとうについても前に書いた。

食品成分表の定義は「『かりんとう』は、小麦粉を主原料として、水、酵母等を加えて練った生地を棒状に成形し、油で揚げ、蜜(みつ)掛けし、乾燥させたもの又はこれに風味原料を加えたものである。」。黒砂糖を使った黒かりんとう(15045)と白砂糖を使った白かりんとう(15046)が登録されている。

かりんとうって言われて頭に浮かぶのは黒かりんとうの方だけど、お遣い物にするのは断然白かりんとうだな。黒かりんとうだと駄菓子感が強すぎるんだと思う。
AJの一番のお気に入りは、写真奥の小桜の姫かりんとう(ゆめじ)だけど、白かりんとうっていうと湯島の何だっけ・・花月か。 ツヤツヤで美味しいと思う。黒かりんとうはどこのでも好き。100円菓子でも好き(笑)。

かりんとうの名前の由来は不明だそうだけど、植物のかりんとは関係ないと思うな。食感が「かりん」だと思う。花月のかりんとうは特に「かりん」て感じする。

wikiによると、 かりんとうを「花りんとう」の名でメジャーにしたのは、深川にあったお店だったらしい。初耳。最近かりんとう専門店が増えていて、そんな店聞いたことないよなのも多い。ブームに乗って深川でも作ればいいのにね、深川名物かりんとう。(あさり味がしそう(笑))

素朴なお菓子でも、油菓子なのでカロリーは高め。調子に乗ってたくさん食べちゃダメだよー。

2014年11月3日

おのろけ豆(食品番号:15044)

おのろけ豆も知らない人が多いんじゃないかな。

AJは子供の頃に、お歳暮?で何度かもらったことがある。缶入りのあられの類の詰め合わせで、その中の一つが「おのろけ豆」だった。詰め合わせの中で一番好きだった。でもその後、他で見掛けたことがないので、食品成分表で見つけるまで、商品名だと思っていた。

一般名なのかー。でも「おのろけ豆」って言って売っているのを見掛けないけどな?と思いながら検索してみたら麻布の豆源が出てきた。確かに豆源で売ってるのは「おのろけ豆」だね、と思ったのだが。

あれ?おのろけ豆ってこういうのじゃないといけないの?
豆源の説明によると、醤油味で海苔が付いているやつが「おのろけ豆」というらしい。 (ちなみに、おのろけの左にあるのは「おとぼけ豆」)

私が子供の頃に食べたのは、醤油味も確かにあったけど、白胡麻とか青海苔とか、梅?海老?なんか赤いヤツもあった。その状態だと「おのろけミックス」と呼ぶのが正しいらしい。

成分表の定義では「『 おのろけ豆』は、いり落花生に塩味の寒梅粉で衣掛けし、焙(ばい)焼したものである。」となっていて、何味でもいいように聞こえる。
でも、「衣に醤油を絡ませる工程で、1粒1粒が仲良さそうにくっついてしまう」から「おのろけ豆」という豆源の説明を信用すると、醤油味でないとダメということになるよなぁ。

(2017/7/5付記: 2015年版の食品成分表では「梅粉で衣掛けし」と書いてあり、梅粉!梅味のことだったか!!と一瞬思ったんだけど、もう一度よく読んで「寒梅粉」の「寒」がなぜか2015年版では抜け落ちたのだと気が付きました。寒梅粉っていうのは梅の粉じゃありませんぜ、食品成分表さんよ。誤解を呼ぶから早く治してくれよー)

ちなみに私は、おのろけミックスの中では白胡麻味が一番好きでした。おのろけ豆以外の缶は思いだせなかったのだが、豆源のサイトを見ている内ににいくつか思いだした。豆かき甘辛とさくらのお煎餅はあった。あとたぶん柿の種もあった。どこのだったんだろう?

食品成分表について

「食品成分表の和菓子」を書くにあたって、お菓子の写真も説明もないから結局何だかわからん!と何度も書いてきたんだけど。
そもそも私は「食品成分表」っていうのは、本屋で売っている赤い本(女子栄養大学出版部が発行している)のことを言うのだと思っていた。

そうじゃなかったんだよー!(知らないのは私だけ?)
「日本食品標準成分表」っていうのが、文部科学省の著作物としてあって、「赤い本」はこれの「本表」をわかりやすく印刷したものなのだった。で、オリジナルには「本表」の他に「説明」(前書き)と「資料」があって、資料編に各お菓子の説明もちゃんと書いてあったー!!

残念ながら写真は付いてないのだが、説明でもわかることは多い。和干菓子で悩んでいたいくつかが解決しました。今更でも気が付いてよかった。既に公開しちゃったやつにも細々と説明を追加していきます。