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2016年10月15日

抗不安薬(2) 定義を決めた

抗不安薬の適応を見ると、「不安障害」という言葉がない!パニック障害とか不安障害の適応がある(主たる治療薬である)のは、抗うつ剤の仲間なのである。

えー?じゃ抗不安薬って何で「抗不安」て名前なんだよ!

適応を細かく読んでみると、「△△△(いろんな病気の名前)での、不安・緊張・抑うつ・・・(病気によって他にもいくつかある)」と書いてある。不安障害ではなくて(正確には、不安障害も含む)いろんな病気に起因する不安な気持ちを鎮める薬、ということらしい。
わかりにくいし、誤解を招く定義だと思うんだけど。抗不安薬=不安障害の薬、と紹介しているサイトも多い。不安障害に使わないわけではないので間違ってるとは言えないんだけどさ。

気を取り直して、抗不安薬に分類されるお薬についてみていく。
Wikiの定義では、抗不安薬の一番上にSSRIが来ている!SSRIって抗うつ薬じゃないですか。抗不安薬って抗うつ薬を含む定義なのか?そんなことないよね。SSRIしか入ってないし。
英語サイトに行ってみる。すると、SSRIどころか抗てんかん薬とかもろもろ入ってる!

えー?すると抗うつ薬の方の定義はどうなってるわけ?
再び日本語Wikiに聞いてみる。すると抗不安薬は抗うつ薬の増補薬(抗うつ薬の効果を助けるために一緒に処方される薬)の扱いになっており、要は抗不安薬と抗うつ薬は別物の扱い。

結局、どうも定義が曖昧だ、ということが分かっただけだった。
どうせ曖昧なんだから自分で定義しちゃおう!

抗不安薬は、ベンゾジアゼピンの類で睡眠薬じゃないやつ!これなら覚えやすいぞ。
セディールとグランダキシンについては、当面忘れることにしよう(笑)。

睡眠薬が、超短時間/短時間/中間/長時間に分類されたのと同じように、抗不安薬は短時間/中間/長時間/超長時間に分類される。主なお薬(製品名)は
短時間が、エチゾラム(デパス)、クロチアゼパム(リーゼ)。
中間が、アルプラゾラム(ソラナックス、コンスタン)、ロラゼパム(ワイパックス)、ブロマゼパム(レキソタン、セニラン)。
長時間は、オキサゾラム(セレナール)、クロキサゾラム(セパゾン)、ジアゼパム(セルシン)
超長時間が、ロフラゼプ(メイラックス)。んー。主なものだけでもたくさんあるな・・・

「睡眠薬じゃないやつ」と書いたけど、抗不安薬は眠くならないというわけでもない。眠くなることがあるけど、眠くなり方(睡眠増強作用)がより少なくて、鎮静効果が多いやつが「抗不安薬」になる。

睡眠薬(3)で、昔の睡眠薬は依存性が高かったけど今のは安全、と書いた。ただし今のにも依存性がないわけではなくて、バルビツール系に比べれば格段にマシ、ということだ。
抗不安薬は、精神科(心療内科含む)でしか処方されない気がするけど、精神科では気軽に処方されているような…気がするなぁ。依存症や副作用の可能性があるから飲まない方がいい、と言うのは簡単だけど、不安で不安でつらい!という人に我慢しなさいとか不安の元凶を取り除く努力をしなさいと言って済ませるのもいかがなものか。それは不安のつらさを理解してないから言えることなんじゃないか。依存症や副作用が出ない可能性もかなりの高率であるわけで・・・

とはいえ、お薬を飲まずに済めば、それに越したことはないとは思う。どんな薬についても、そうは思う私なのだった。

さて、抗不安薬はさっさと片付けたぞ(これでいいのかね)。次は問題の抗うつ薬だ。これが種類が多くて全く・・・

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