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2016年10月2日

睡眠薬(1)

 メンタル関係の薬でとっつきやすいのは睡眠薬と思ったんだけど、これがねぇ。。。ま、とにかく始めてみるか。

睡眠薬。英語ではhypnotic。これもギリシャ語由来の言葉なので、欧州どこでも通じそう。中国語は安眠薬。うまい!睡眠薬よりも安眠薬の方が、正しい表現だと思う。もっとも、hypnoticの方は、眠りを意味するhypnosから来ているので、同じように訳そうとするなら睡眠薬の方が素直ではある。


で、睡眠薬を必要とするのは、眠れない=不眠症の人たち、ですね。
不眠症の方は、英語ではinsomnia、中国語では失眠。これも中国語の方がうまい。「不眠」ていうと全然眠ってない=完全徹夜って感じするけど、実際の不眠症は必ずしもそうではない。あるべき眠りが出来てないので、「失眠」は正しい表現だと思う。

不眠症にはいくつかパターンがあって(というか、いくつかパターンに分けることになっていて)、それに応じたお薬を飲むことになる。

1) 入眠困難型:寝つきが悪いタイプ。寝付いてさえしまえば朝までちゃんと眠れる。明日の遠足に興奮して眠れない子供、みたいなやつ。
2) 中途覚醒型:寝つきはそれなりにいいのだが、何時間か眠ると目が覚めてしまうタイプ。また眠ることはできるんだけど、また起きてしまう。朝までぐっすり眠ることができない。
3) 早朝覚醒型:寝つきは良いのだが、朝早く起きてしまうタイプ。目が覚めたらもう眠れない。ただし睡眠時間が足りているわけではないので昼間に眠い。年寄りはこれが普通(笑)。

入眠困難型は、飲んですぐ眠くなればそれでいいので、短時間(あるいは超短時間)効くタイプの睡眠薬を、中途覚醒と早朝覚醒は短時間効いても意味ないので、長時間(あるいは中間)作用型の睡眠薬を処方することになる。ここまでは考える余地もないんだけどさ。

何が短時間で何が長時間かは、お薬ごとに覚えるしかない・・・同じような名前(=同じような化学構造)でも、超短時間だったり長時間だったりする。やだー!。そして同じような名前でも、適用も禁忌も微妙に違う。やだー!! でも文句を言わずに地道に覚えるしかないんだなこれが・・・

睡眠薬は、怖い薬と思っている人もいるけど、昔に比べれば依存症や中毒も減って、そう怖い薬ではなくなってきています。ま、飲まずに済めばその方がいいとは思うけどね。睡眠がなぜ必要なのか、まだ正確にはわかっていないけど、必要なのは間違いない。「食べない」よりも「眠らない」の方が、生命の危険は大きいことが分かっている。良い眠りというのは大事なことではあるのだ。

とはいえあまり拘りすぎるのもねー。特に年を取ってくると、若い時のようにはぐっすり眠れないのが当たり前なのであって、それを眠れない!眠れない!お薬飲まなきゃ!!となるのは、良くないと思うよ。朝っぱらからラジオ深夜便でも聞いて、午後には日向ぼっこしながらウトウト・・・というのが正しい年寄りの在り方でしょう。

第1回は愚痴と説教で終わってしまった。次回は真面目にお薬の分類と代表選手について書きたいと思います。

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