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2020年7月28日

マーブルケーキ

ココアを流してマーブル模様を作るマーブルケーキ。

AJの認識ではパウンドケーキの一種なのだが、「家庭でできる和洋菓子」ではパウンドケーキとは微妙にレシピが違い、パウンドケーキにはなかったベーキングパウダーが入っている。口絵写真はパウンド型で焼いているけど、本文には「丸型なり角型なり、好みの焼き型」を使うと書いてある。画像検索してみると、日本語の「マーブルケーキ」では圧倒的にパウンド型だけど、"marble cake"だと他の型で焼いたものが結構出て来るので、どうもそういうものらしいです。

昔やってみたことがあるんだけど、マーブル模様がいまいち上手く作れなかった。混ざらなくて単に沈んでるだけの所と、混ぜすぎて薄茶色になっちゃった所があって。マーブルは早々に諦めました。写真はメリーチョコレートで買って来た。

COVID19関連用語:ロックダウン

新型コロナ関連用語ではあるけど、これは明らかに医療用語ではないなー。まいいか。

ロックダウンは「都市封鎖」と訳語が付く場合が多いけど、"lock"だけで「封鎖」な意味は伝わる。何が"down"なのか。
"lock out"だと外に締め出された/中に入れない感じが強いので、伝染を防ぐために「外に出さない」が主目的の今回のケースでは該当しないんだろう。しっかり鍵を締めるよ!って雰囲気は、"lock up"でも伝わると思うんだけど、鍵を締められて不満というか不便というか、あー!締められちゃったー!!な感じが"down"なんだろうか。「シャットダウン」も、やられた感が漂うもんな。

海外(特に中国)では都市封鎖だったけど、日本の緊急事態宣言は単なる「自粛」なので、アレはロックダウンとは呼べないと思う。でも"down"な感じはあったな。"Stay home"みたいな何だかほんわかした言葉ではなく、"Freeze!!"みたいな動くな!感のある言葉を使いたいところだ(笑)。

2020年7月22日

COVID19関連用語:オーバーシュート

春先にはよく使われていたのに最近はサッパリ聞かなくなった「オーバーシュート」。なんか違和感があったんだけど、やっぱり変ていうことになったのかな?いいけど。

今見たらWikiも出来ている。「感染症の爆発的患者急増」を意味する。「オーバーシュートしそうだ」「オーバーシュートしている」って感じで使われていた。カタカナにする必要を感じなくて、「爆発的急増」で十分だと思ってもいたんだけど、それ以前に。

オーバーシュート=シュートがオーバーする=狙っていた所を行き過ぎてしまう、という意味の筈。「爆発的」でないとしても、そもそも患者の増加を「狙って」いるわけじゃないよね、ゼロに出来るならそれに越したことはない。なんか違和感のある単語、と思っていたのだ。

先のWikiには「疫学用語」として「集団免疫を獲得するのに十分な感染を超過した感染を言う」という定義も載っている。例えば、集団免疫獲得で流行を防ごうと、人口の7割感染を狙ったのに、7割以上感染しちゃったよ!な状態。この使い方なら「オーバーシュート」で納得なんだけど。

そして「爆発的急増」は、どうも英語的には「アウトブレイク」を使うのが普通らしい。一般的和訳は「勃発」。突然壊れて出てきちゃったー!な語感でこれもわかりやすい単語だと思う。

なんで「オーバーシュート」を「爆発的急増」の意味で使ったんだろ?そして無言で使わなくなったんだろ。いいけど。

2020年7月14日

光文社古典新訳シリーズ (24)

♪雨が降る降る、あーめが降るー♪読書がさくさく進みます。

(231) 二十六人の男と一人の女(ゴーリキー):短編4つ。ゴーリキーは相変わらず暗い。みんなのアイドルが炎上する表題作は喜劇な部分もある。正義漢「グービン」はせつない。泥棒の「チェルカッシ」の懊悩もせつない。同情と恋愛がごっちゃになるタチアーナの「女」はさらに切ない。コサックは差別される側だと思ってたけど、どこでも貧乏人には冷たいのね。そういうもんだろうなと思う。

(232) 奪われた家/天国の扉(コルタサル):うっすら怖い幻想短編集。元踊り子のお嫁さん「天国への扉」はアルゼンチンあるあるではないかな、普通に怪談。「奪われた家」は何に奪われたのかなんであっさり諦めるのかわからないのがうっすら怖い。同じく敵意の真相がわからないままの「バス」もありそうで怖い。うさぎを吐き出す「パリへ発った夫人宛の手紙」は気味が悪い。一番怖いと思ったのは「遥かな女」で、ブダペストが効いてる。そう来るのかと思ったけど、やっぱりキター!な怖さ。「偏頭痛」は症状の名前が薬品名で不思議、偏頭痛もちならあるあるかもしれない。「キルケ」のゴキブリ入りボンボンはやだー!「動物寓話集」は動物が怖いのが得意なんだな・・と思った。

(233) ソヴィエト旅行記(ジッド):希望を胸にソ連に行ってみたら現実は理想と違ってガッカリ、な旅行記。現代ではそりゃそうだろと思うのだが、当時は外向けに美化されていた以上に、理想的であって欲しいと思う欲目が強かったからなぁ。歓待してもらったのにこんなこと書いていいかなぁ、でも書かなきゃダメだよなぁ、とジッドでも逡巡はするんだ。今だと概ね北朝鮮だけど、案外日本でもこういうところあるなと思ったりする。自分の眼で見て自分の頭で考える。

(234) 千霊一霊物語(アレクサンドル・デュマ):千夜一夜物語というより日本の百物語。集まった人たちが次々に怪談を語る。時代背景があるところがヨーロッパぽいよね、なんで日本では「昔々あるところに」になっちゃうんだろう?

(235) 大尉の娘(プーシキン):M025再読。「みずみずしい新訳」で岩波文庫とだいぶ印象が違う!内容は同じなんだけど(当たり前)。これテレビドラマ向きだと思う。

(236) パイドン -魂について(プラトン):ソクラテス処刑の日。魂は不滅だから自分が死んでも悲しむことない、と強気のソクラテス。肉体が亡びたらみんななくなってしまうと嘆く友人達を言い負かす。結局魂って何かってことよね。魂と肉体に分けるのなら、不滅なものが魂だと私も思う。じゃあ魂って何なのか?まぁ、あると考えた方が納得しやすいじゃん、ってレベルではあるな(苦笑)

(237) テアイテトス(プラトン):若い天才数学家テアイテトス及びその師のテオドロスと、プロタゴラス(ソフィスト)の知識論について対話するソクラテス。そもそもソフィストの言い分(相対論)を理解してないので、論駁されたところで、あーそういうことだったのか、と右往左往。当時は大事だったのだろうけどねぇ。ソフィストの言い分を、あれもこれも論破して、「知識とはあれでもこれでもないもの」と言っていきなり終わる。全くソクラテスなんだからさ。「知っている」と「わかる」は現在日本語では当然のように別物なのも混乱するところ。これは「知識」というより「理解」とは何か、だな。その昔、新しい技術用語についてほぼ何でも「それは知ってます」と応える後輩がいて、内心それ知ってる内に入んないよ、気軽に知ってると言うなよ、とイライラしたのを思い出した(笑)。

(238) ペーター・カーメンツィント(ヘッセ):ヘッセ25歳のデビュー作!には見えません!!上手い!車輪の下よりデミアンよりこれが好きだー。アルプスの少年ペーターは都会に出て文学青年となり、いろいろあったけど故郷に戻りました。ハイジのような山の生活ではないけど、アルプスの麓に暮らすってこういうことね、と思える。時に厳しい、でもやっぱり帰りたくなる故郷が魅力的かつ具体的に描かれていて、ハイジよりぐっとスイスっぽい。ペーターの不器用な女性遍歴も好ましい。半分位は自伝らしいけど、結局予言にもなっている所も秀逸。ま、女性関係については当たってないんだけど。

(239) チャンドス卿の手紙/アンドレアス(ホーフマンスタール):若き天才の作だそうで。救いのない結末でAJ好みではないな。ベネチアが舞台のアンドレアスは割と好き。夢の国ベネチアの雰囲気が出ている。あとはなんだか・・救いがないんだもの。

(240) ドルジェル伯の舞踏会(ラディゲ):素直な青年貴族フランソワは、好人物だけど軽薄なドルジェル伯と可愛い奥様マオに出会う。ドルジェル伯に惹かれているような、奥様に惹かれているような。マオの方でも、亭主のお気に入りだからフランソワがお気に入りだと思っているが、無意識にフランソワに恋しているかも。伯爵も無意識にそれに気づいてか、今更夫人に恋着してみたり。なんとなく幸せにつるんでいた三人がバカンスで出来た距離で恋心に気づく。まだ恋愛まで行ってないのに貞淑な妻であろうと、フランソワのママに恋心を打ち明け、恋を諦めようとするマオ。ところが片思いだと思いこんでいたフランソワは逆に大喜びで、ママはキューピッドにされたとおかんむり。味方を失って困ったマオはとうとう伯爵に打ち明けるが、軽薄な夫は大丈夫だよとばかり、「さあ、マオ、眠りなさい」。で、いきなり終わる。えーっ、ここで終わるのー!!クレーヴの奥方を下敷きにしているのだそうだ。それぞれが恋に恋している様子がきちんと描けていて、こっちの方が面白いぞ。終わり方の唐突さも秀逸。20歳でこれはやっぱり早熟な天才。ラディゲの遺作で、今までの訳はコクトー含む友人による改作になっているが、新訳はラディゲの最終校正版を元にしているのだそうだ。

2020年7月11日

アポストロフィ

だいぶ前、Guardian’s 1000リストをテキストコピペでxlsシートに貼った時に、アポストロフィが変だと思ったのだった。自分でタイプすると「'」になるのに、コピペしたのは「’」になる。
・・・このフォントではわかりにくいかもなんだけどさ、MSフォントの見え方に近いGeorgiaフォントにしてみると「’」と「'」。とにかく見た目が結構違うのよ。自分では「’」の方は打てなかったので、外字の類なんだろうと思い込んでわざわざ「'」に直したのだった。

ところが。たまたま調べもので迷い込んだwikiに、現在では「'」(U+0027)ではなく、「’」(U+2019)が推奨されていると書いてあるではないの!びっくり!!
推奨に従いたいけどいちいちコピペで変更するのは大変だ、と思ったら、日本語入力にすれば入力できるとのこと。えーっ半角英数なのに日本語入力にして打つんだ、裏技過ぎる気がする。

修正してもしなくてもわかんないんじゃない?と思いながらちまちまと変更。
そういえばブログのタイトルにも、アポストロフィが入ってるんだった。直してみたらこのフォントは結構違う。全体にこっちの方が視認性がいいね。タイプライター時代にはU+0027しかなかったけど、今は見やすいU+2019を使いましょう、と言うことなのだろうと思う。
しかし、記号の名前としてはU+0027が「アポストロフィ」で、U+2019は「シングル引用符の右」。どっちにすべきかわかりにくいんですけど。そんな細かいこと気にするなよ、ってことよね。ぶつぶつ。

2020年7月7日

Guardian’s 1000 (18)

図書館は開いてるし、連日の雨もあってお出掛けも少ないので、さくさく読書が進んでいます。
今回は早川書房が多め。ハヤカワepi文庫は当たりが多いので、光文社古典が一段落したら全点読破を目指してもいいなと思っている所。

(171) 権力と栄光(グレアム・グリーン/早川書房):
「権力と栄光」って政治とかビジネスとかの感じだけど、主題は宗教。神の力とご威光ということらしい。メキシコ独裁政権下の宗教弾圧を描いたもの。メキシコにこんな時代があったのね、意外。逃げない自分はエライと勘違いして、でも堕落していく司祭。逃亡の果てに臨終の懺悔に出掛けて捕まってしまう。宗教って何?信仰って何?と強く問いかける。映画「逃亡者たち」の原作だけど、映画は全然違うことになっているのだそうだ。

(172) 西欧人の眼に(コンラッド/岩波書店):
天涯孤独のロシア人青年は、巻き込まれたくない一心で自分を頼ってきたテロ犯の友人を密告。でもテロ犯が処刑されても、テロ仲間と危惧する/崇拝する両陣営から逃れられない。当局からスパイとしてジュネーヴに送り込まれ、何とかなりそうに思うけど、結局全てを告白する羽目に。風変わりな題名は、たまたま知り合った第三者な英国人が日記を託されて書いたから。出版は1911年で早い。1920年(ロシア革命後)につけた作者覚え書き冒頭で「状況がすっかり変わってしまったために、この『西欧人の眼に』が、過去の出来事を取り扱う一種の歴史小説になってしまった面のあること」と著者は書いている。共産党独裁のソ連となってしまった後では、既に過去の話なんだろうね。でも、「一般市民」でいたいだけなのに、、ていう主題は今でも有効ではあるな。当時ほど切実ではないにしても。犯罪を扱ってはいるが、CrimeよりState of the nation枠かも。

(173) わたしの名は赤(オルハン・パムク/ハヤカワepi文庫):
16世紀末のイスタンブールを舞台に宮廷細密画家が相次いで殺される。登場人物が章ごとに主人公となって語る(人物だけではなく、細密画に描かれた動物や静物、顔料まで語りだす。不思議な題名「私の名は赤」はここから)のだけど、最終章まで犯人の名前がわからない。推理小説として良いかどうかは別にして、当時の様子が良く描けていると思うし、現代に通じる問題提起にもなっているし、何より読んでて面白い。オスマントルコに関する知識がゼロだと読みにくいかもだけど、AJは行ったことのある場所がたくさん出てきて嬉しかった。旅行前後に予習復習したけど、思えばトルコ人が書いたものは読んでない。文化的にはペルシャの影響が大きいのね。地理的に当たり前のことだけど、欧州との関連でばかり捉えてたなーと反省。

(174) 青い眼が欲しい(トニ・モリスン/ハヤカワepi文庫):
青い眼が欲しいと願う黒人の少女。不幸が連鎖していく。「美しい」って難しい。黒人差別は今でもあるけど、黒人の中でも「黒人とニガーは違う」って意識があってそこにも差別があったりするんだな。こっちの解決も難しい。でもまずは単純な黒人差別を撤廃するところからだ。少なくとも差別は良くないことだという認識がまだ足りてないもんな。冒頭のDickとJaneは教科書に出て来るものって解説があって親切。通常文→句読点抜き→平仮名句読点抜きで並んでいる。日本語だと案外読めてしまうが、英単語がブランク抜きで並んでたら読めない気がする。ネイティブは読めるんだろうか。

(175) ソロモンの歌(トニ・モリスン/ハヤカワepi文庫):
黒人医師の祖父と実業家の父を持つおぼっちゃんなミルクマン。父と母の相克、父と叔母の苦労と行き違い。ルーツを辿ることで人生に向き合えるのかと思いきやそんなことはなくて、微妙に暗い結末。同じ数で平衡する必要があるというギターの理論が雑だが純粋。やっぱり未来が決まり過ぎな社会って希望がなくてよくないよね。

(176) ビラヴド(トニ・モリスン/ハヤカワepi文庫):
こういうのファンタジーって言う?幽霊は出て来るけど。殺された幼女の幽霊は怖いけど哀しい。誰でも「愛されるもの」でありたい、それだけなのに。親切な白人主人に仕える黒人奴隷の幸せ。それって幸せなのか?差別を完全になくすのは難しいことだけど、少なくともこれはダメってのをしっかり決めて、少しずつでもダメなものはダメとやっていくしかないんだろうな。他人の幸せをやっかむ気持ち、そんな自分を恥ずかしく思う気持ち。歌声が案外世界を変えたりする。いろいろ考える。BLMの今だから読むべき話だと思う。なんでファンタジー枠なんだろ、ぶつぶつ。

(177) 木のぼり男爵(イタロ・カルヴィーノ/晶文社):
意地を張って木に登ったまま地上に降りずに過ごすコジモ。設定はファンタジーだが描かれている内容は大人向き。ネオレアリズモと言うのだそうだ。本に夢中になって捕まってしまう泥棒の話と、樹上に追放(匿われる?)放浪貴族の話が印象的。あとファムファタルなヴィオーラちゃんも。内容も趣向も面白いとは思うが、「見えない都市」の方が全然好きだな。

(178) 蠅の王(ウィリアム・ゴールディング/ハヤカワepi文庫):
15少年漂流記救いがない版。おおよその筋は映画化で知ってたけど、何が蠅の王なのかなと思ってた。ベルゼブルが蠅の王なのね。子供に限らず人間ってそんなだとは思うが、肉に拘り過ぎだろ、魚を釣ることを考えようよ。全くイギリス人なんだからよ。

(179) 時計じかけのオレンジ(アントニー・バージェス/ハヤカワepi文庫):
不良少年のアレックスは友達と悪行三昧。調子に乗って殺人を犯して刑務所に入れられ、性格矯正の実験台になる。不本意のまま暴力に生理的恐怖を覚えるようになって退所したものの、両親の元には知らない男がいるし、大事なステレオは賠償のために売り払われているし、安食堂ではかつて被害者だった老人が無抵抗のアレックスを袋叩きにする。警察が来て助かったと思いきや、警官はかつての友達とライバルで更なる袋叩き。もう死にたいと彷徨の末にたどり着いたのはかつての被害者の家。しかし先方は気づかず親切にしてくれるし、政府の実験に憤り訴えるべきだという。隠れ家に連れていかれて一安心と思いきや、クラシックを大音響で聞かされて恐怖の発作で窓から飛び降りて自殺。のつもりが救助され、政府の病院でまた治療を受け、暴力的な性格に逆戻り。クラシックを聴いても素直に感動できて、まるっきりなおったのだ。とキューブリックの映画は終わるのだが、この後アレックスは新しい友達と悪さをしにいく途中で気が変わり、すっかり善人になった悪友に遭遇。自分ももう大人になる時期なんだな、結婚でもしよう!と終わる。確かに映画にこの章は要らないね。ハッピーエンド好きのAJだが取って付けた感じする。でも作者は元の木阿弥で終わるのはイヤだったのだそうだ。スラング(造語)だらけの文章は面白くないとは言わないが・・・映画見る方が良さそう。

(180) 昏き目の暗殺者(マーガレット・アトウッド/ハヤカワepi文庫):
これってファンタジーなの?Crime扱いかと思った。老女の現状と回想、名前がわからない男女の情事、その中で男が語るSF的物語の三層構造で語られる。表題の「昏き目の暗殺者」は、直接的にはSF的物語の登場人物なのだが。伏線は、あからさまではないまでも目につくレベルで張られており、ははん、それってこういうことかと推測できる。そういう意味でも当人だけがblindなのだ。推測は出来ても読ませます。読んでて面白い。「昏き目」って翻訳も上手いな。

2020年7月5日

クリームホーン

海外で見たことのあるクリームホーン。たぶんアメリカだった気がするんだけど、定かではありません。海外にいる時ってだいたい食事だけでいっぱいになってしまい、おやつまで手が回らないのだ。

日本ではありそうでないよなーと思っていたのに、先日高島屋のグマイナーで見つけた!ドイツ語風の名前が付いていたけど、クリームホーンだ!とばかりに買って来た。私が行った時にはカスタードしかなかったけれど、チョコクリーム版もあるらしい。
ちゃんとコルネ形(角笛形)。大きさも概ねチョココロネ位。 AJが海外で見たのはもっと小ぶりだった気がするんだけど、たまたまだったのかも。或いは案外記憶違いかもしれない。

「家庭でできる和洋菓子」では白黒写真だったので気が付かなかったけど、よく読むと『クリームは生クリームに砂糖を入れて固く泡立てたものが一番おいしいでしょう』と書いてある。ホイップクリームだったのか・・・カスタードクリームの方が美味しい気がするのに。少なくともグマイナーのカスタードクリームは優しい甘さで美味しいです。

さて、グマイナーのドイツ語商品名は、調べてみたら「シラーロッケン」だった。この名前で検索するとほぼグマイナーばかりが出て来る。オリジナルな名前なのかな?シラーって詩人のシラー?シラーが好きだったとか?
wikiを読んでみたけどそんなこと書いてない。ダメ元でドイツ語版wikiをあてずっぽうに検索したら、なんとあった(ドイツ語)!シラーの頁にあったのと同じ肖像画がクリームホーンの写真と並んでる!!ドイツ語はハードル高いので英語リンクをたどって読んでみた。
オーストリアの菓子パンで、中身はホイップクリーム。SchillerlockeのSchillerは詩人のシラーで、lockeはカール。肖像画のシラーの巻き髪に似てるから付けられたらしい。確かにパイをくっつけたみたいな妙な髪型だ(笑)。ちなみに最後のnは複数形で、単数だと「シラーロッケ」。
グマイナー様、この名前で出すなら是非ホイップクリーム版でお願いしますです。

2020年7月3日

ブラウニース

現在の一般的日本語では「ス」は付かないけど、「家庭でできる和洋菓子」には何故か複数形で載っているブラウニー。ま、一度にたくさん出来ちゃうから、sが付いても間違いではないと思うが。

天板をそのまま型にして作るお手軽さに、「茶色いの」と商売っ気のない名前で、ホームメード感が漂う。その割には、濃厚チョコレート味でおやつというよりはデザート。でもフォークで食べるのが前提のケーキではなく、とはいえレストランでホイップクリームとフォークを添えて出てきても違和感がない。カップケーキではこうはいかないな。

いろんなタイプのブラウニーがあり、どれが正解ってことでもないのだが、AJの考えるブラウニーはこんな。濃厚チョコレート味でしっとりねっとり、でもケーキの弾力があり、胡桃とピーカンナッツが入っていること。ちなみに写真はメゾンカイザーのもので少しお上品なサイズ。ブラウニーってケーキ屋でも売っているけど、パン屋っていうかデリのイメージなんだよな。その辺も立ち位置が中途半端な感じ。

Wikiによると、シカゴにあったホテルのシェフが『お弁当箱から気軽に出して食べられるようなデザート』として作ったのだそうだ。なるほど!ランチボックスの中のデザートだったから、お洒落な名前を付けてもらえなかったのね。でもランチボックスに入ってたちょっぴりデザートの甘さが忘れられず、あの「茶色いの」を復元しよう!と思った人たちが多かったのだろうな。

アメリカン・デザートは激甘でちょっと、な物が多いけど、ブラウニーは好き。激甘いことに変わりはないけど。