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2018年8月31日

赤血球分布幅

前回で赤血球関連は全部終わったつもりでいたけど、「分布幅」ていうのがあるんだった。

略称はRDW(Red blood cell distribution width)。Mシリーズは赤血球がCだったのに、今度はRなんだな。統一してもらえると覚えやすいんだけど。ぶつぶつ。

赤血球の分布幅=あっちでは赤血球がたくさんあって、こっちでは薄かったりする分布の具合、に聞こえませんか?でも採血は一カ所でしかしてないし、採血終わると試験管を良く振って混ぜ混ぜしている。「あっち」「こっち」って何?

「分布幅」は、赤血球自体(=赤血球数)の分布ではないのだ。赤血球の大きさ(=容積)の分布の幅を意味する。もー!わかりにくいじゃないかー!!WikiではRDWを「赤血球粒度分布幅」という項目名にしていて少し親切だ。でもMCVと用語を揃えて「赤血球容積分布幅」の方がより親切だと思う。

そういえば、前回出てきた「ヘマトクリット」も言葉の意味としては「赤血球基準値」な感じで、容積比の意味はない。わかりにくいぞー。
察するに、今でこそ赤血球の数とか個々の容積をちゃちゃっと計測出来るようになったけど、昔はそうもいかなくて、血液5ml中の赤血球だけ取り出した容積が2mlだから40%と測る基準値で精いっぱいだったんだろうな。顕微鏡で1個1個測ってたら日が暮れちゃうもん。今となっては数や個々の容積を測るので、むしろヘマトクリットの方を計算値で出しているのだそうだ。

閑話休題。
RDWは赤血球容積分布幅。 同じ容積でもMCV(平均赤血球容積)は平均値でしかない。平均値は正常値でもバラつきが大きかったら問題があるのは想像できるよね。

RDWの基準値(というか表現方法)には2種類あって、RDW-SDとRDW-CVがある。検索結果の感じではCVの方がメジャーのようだ。私の行っている病院もCVで表示されている。

でも、まずはSDの方から。SDはStandard Deviation=標準偏差。
標準偏差は学校で習った、平均との差を二乗して・・・と思いきや。算出方法は「ピークの高さを100%としたときの20%度数レベルの分布幅」。えーっ!それって「標準偏差」なのか??
とにかく基準値としては40-50fL位。ちなみにMCVはだいたい80-100fL。平均値=ピーク値と仮定すると、ずいぶん幅の狭い=偏りの小さい分布が正常とみなされてるんだな。

CVの方はCoefficient of Variation=変動係数。
全分布の68.26%を占める部分の幅が、全体に対してどの程度なのか。うーん、これも普通の数学でいう変動係数と違うような気がするんだけど、これで合ってんのか?
とにかく基準値としては10-15%位。全体からみると10-15%の値幅の中に、70%が含まれちゃうんだから、やっぱり偏りが小さい分布ってことだな。

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