ページ

2018年8月26日

ヘモグロビン、ヘマトクリット

赤血細胞(=赤血球)が赤いのはヘモグロビンのせいだと前回書いた。ヘモグロビンは赤血細胞に含まれるタンパク質の一種で、酸素を運ぶという重要な役割は、実際にはこのヘモグロビンが担っている。英語表記はhemoglobin。検査値ではHb、或いはHg、Hgbと書かれる場合もある。血の色の元になるものだから、血色素という言い方をする場合もある。

酸素を運ぶ実体は赤血細胞という袋よりも、中身のヘモグロビンなので、抗がん剤の影響で赤血細胞の数が多少足りなくなっても、ヘモグロビンの量として足りていれば、まぁ大きな問題はない、と考えることが可能なんだろうね、たぶん。
ヘモグロビンの基準値は、女性で12-15g/dL位。男性はもう少し高い。


このヘモグロビンと混乱しがちな似たような検査値がヘマトクリット(Ht或いはHct)。
名前も似てるんだけど「ヘマト」は赤血球を意味する言葉として使われていて、具体的には、血液中の赤血球の割合。数ではなく容積比(%)で表す。これも基準値が男女で微妙に違うけど、だいたい40%位。

赤血細胞の数が足りてても、ヘモグロビンが少なければ容積も小さくなるだろうからヘマトクリットも下がる、というのは容易に推理できるが、なんで両方が要るんだろう?どっちかじゃダメなの?赤血球数もヘモグロビンも良好で、ヘマトクリットだけ異常値って考えにくい気がするんだけど・・
ま、他の血液成分(白血球とか)が多すぎてヘマトクリットが下がるてことはあるな。でも他の血液成分も大抵は測るんだけどな・・・Wikiを読んでみると、正常値よりも高い理由の一つに「赤血球の形が異常」と書いてある。なるほど。形が凹み白玉団子じゃなくなったら、細い血管を通れなくなったりして、ヘモグロビンが足りてても酸素が行き渡らなくなりうるな。そういうことなのかな?よくわかんないけど、とりあえずそういうことにしとくか。


更に厄介なのが、Mで始まる赤血球関連の検査値。

MCVは、Mean Corpuscular Volumeの略で、平均赤血球容積。・・・赤血球はRed Blood Cellって言ったよねー(泣)。corpuscularは一般的には「小体」で、血球という意味はあっても赤血球という意味はない。なんでこんな略にしたんだよー!
意味としては赤血球1個あたりの容積。ヘマトクリットが血液中の赤血球の容積の割合、赤血球数が血液中の数なんだから、ヘマトクリットを赤血球数で割れば(正確には単位調整があるけど)出て来る。

MCHは、Mean Corpuscular Hemoglobinの略で、平均赤血球血色素量。
こちらは赤血球1個あたりのヘモグロビンの量。ヘモグロビン量を赤血球数で割れば出て来る。

MCHCは、Mean Corpuscular Hematocritの略で、平均赤血球血色素濃度。
赤血球1個あたりのヘモグロビン濃度。ヘモグロビン量をヘマトクリットで割る。1個あたりというより、1個容積あたりの濃度って感じ。でもヘモグロビン量を容積で割って濃度を出すって何の意味あるんだろ。MCHの時点でヘモグロビンが多いか少ないか=濃度が高いか低いかはわかるような・・・

Mシリーズは貧血の種類を見分けるのに使われることになっている。貧血の種類は具体的には、大球性、正球性、小球性の3種類。おや、それは赤血球の大きさの話ではないですか?そうなのよ。であればMCVだけで分類出来ますけど。なんで3種類も要るんだろ。やっぱりよくわかんないなー。どうも普通より大きい/小さいと言っても偏差があるので、それによってMCHCに差が出てきて、貧血の細かい種類が推定できる、ということらしい。


私の場合はというと、赤血球数が格段に、ヘモグロビン/ヘマトクリットも低下。造血作用が阻害されたと考えれば納得だよね。ドキシルをやめたことで、ヘモグロビン/ヘマトクリットが先に回復、後から赤血球数が追い付いてきたために、治療中は正常値だったMシリーズが回復期に却って異常値になった。赤血球数の割にヘモグロビンが多すぎたわけね。途中から数値が「異常」になって不安に思ってたけど、気にしなくて良かったんだ。自分の検査値については納得できたのでとりあえずいいことにしとく。

0 件のコメント: