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2018年3月1日

若人のための100冊(6)

1月中には読み終わると思ってたんだけどさ。入院騒ぎがあったり、本を読める体調じゃなかったりでどんどん遅れてしまい、ようやく2月中に読み終わりました。今回は冊数も多かったんだよ。

(51) 万葉集(岩波文庫 2013年新訳):リストに挙がっていたのは、同じ岩波文庫の旧訳だったんだけど、ネットで見てみたら新訳の評価が高いので、こっちで読んだ。確かに大変読みやすい!後書きに年表や地図もあって◎。わからないのはわからないと書いてるのも素直で親切。万葉集ってこういうものだったのね。5冊で大変だったけど面白かった。5冊の他に万葉仮名表記の原文(上下)もセットで売られています。

(52) 昆虫記(ファーブル):読み直す1冊シリーズで済み

(53) ユートピア(トマス・モア/ 岩波文庫):こうだったらいいのにの理想郷の話だが、大筋は共産主義。いわゆる共産主義はユートピアにはなれなかったように思うが、でも現在のシェアの文化が今後どう進むか。案外「持たない文化」がユートピアにならないとも限らない。限るかな。

(54) 斎藤茂吉歌集(岩波文庫):万葉集の次に読んだので近代的だった(そりゃそうだ)。近代詩としては万葉集的なのだそうだ。確かに言い回しがまんまのがある。歌人というより趣味人の歌。

(55) どん底(ゴーリキー/岩波文庫):救いのない戯曲。チェーホフならここまで暗くしないのに。話が暗すぎだろ。

(56) 賃労働と資本(マルクス):光文社古典で済み

(57) 論語(講談社学術文庫): 孔子のお言葉を集めたもの。儒教って実用的なんだな。ビジネス本な感じ。ただし人名が出て来る度に、ええとこれは誰だっけ、と中国史のおさらいが必要。

(58) 平家物語(角川文庫):これ読んだんだっけ?と思ったらなんと実家の本棚に発見。手持ちの古い本を読んだ。さっぱり読んだ覚えない(苦笑)。なんか軍記物=源平合戦のイメージが強かったのだが、えんえんと平家全盛の記述が続く。巻六で清盛が死んで巻七で都落ちが始まり、やっと合戦が始まり、巻十一で壇ノ浦、十二と付記でお終い。盛者必衰とはいえ急にそんなに平家が没落するって読んでいても不思議。義経は無謀だが情のある人物として描かれているが、頼朝は影が薄い。考えてみるとしかし、平家を追っ払っても京都に乗り込んでくるでもなく、鎌倉に「幕府」を開いちゃう頼朝って進んでるよね。公家のヒエラルキーに入る気ないもん、的な。平家への対抗心かもだけど。

(59) 戦争と平和(トルストイ/岩波文庫):全6冊。これも読んだはずだけど記憶なし。面白いんだけど、トルストイのごたくが長すぎるんだよ。言いたいことを登場人物の行動とかで書けなかったのかな。戦争=対ナポレオン戦争。アンドレイはカッコイイのだが、途中で小娘を恋してしまうし。とにかく女性陣が誰もいまひとつなのが、感情移入できない理由だと思う。

(60) 水と原生林のはざまで(シュバイツアー/岩波文庫):なんというか信念の人だなぁ。医師というよりヒューマニストかも。でも考え方は確かに古い。仕方ないよね、古い時代なんだし。

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