(151) くるみ割り人形とねずみの王さま/ブランビラ王女(ホフマン):前に読んだのも同じ訳者のものだった筈だけど、ずいぶん印象が違う。なんでかな。びっくりしたのは、金平糖は踊ってなかったこと。ホフマンにしては読みやすい、お菓子満載で気になるよう!ブランビラ王女はホフマンらしい、最後は想像できるが途中くらくらする。
(152) 感情教育(フローベール):2月革命のパリを背景にした地味なお貴族様と貴婦人の純愛っていうか物語。恋愛ものとしてはあるある感。革命のパリでも日常はこんなだったんだろう。実体験ベースらしい。
(153) あしながおじさん(ウェブスター):こんな話だった。なんで彼がおじさんだと気づかないかなジュディ。今読むとおじさんは最初からそのつもりだった気が。解説に「美味しそうなファッジと言うお菓子に云々」と書いてあるが、そこまで読んでやっとあれファッジだったのか!と気がついた。子供の頃からキャラメルだと思ってたし、今読んでもキャラメルにしか読めなかった。訳文も「あめ」になってるし。
(2020.12.22付記:間違いました。「あめ」は「あめ」で、ファッジはファッジでした。ファッジについて書いてある場所は「あめ」とは別の場所なのだった。ファッジに関する記述は全然読み飛ばしていました。詳細は別途。早合点してごめんなさい!!)
(154) スペードのクイーン/ペールキン物語(プーシキン):初めてかも。面白かった。プーシキンってこういう話だったのか。さほどロシアぽくない。上流社会だから?少し怖い。最後に軽くオチがある。でも深読みすると深読みできるのだそうだ。トランプの奥義を老婆から無理やり聞き出そうとしたゲルマン。幽霊に教えてもらうも、エースの筈がクイーンになっていて・・「スペードの女王」というタイトルが普通だけど、トランプのクイーンは女王じゃなくて王妃だから変だそうだ。なるほど。
(155) オリヴィエ・ベカイユの死/呪われた家(ゾラ):最後の「スルディス夫人」が面白かった。画家の妻が絵を描くやつ。ちょうど松丸文庫シリーズで「ドレフュス事件」を読んだ後だったので、ゾラって「私は告発する」の人だ、と話が繋がった。いい意味でも悪い意味でもジャーナリスティックというかドラマな話。
(156) チャタレー夫人の恋人(D・H・ロレンス):覚悟して読み始めたけどそんなにいやらしくない。露骨な表現は確かに多いけどさ。「男と女の物語」だが、、そううまくいくか?男がセクシーな緋色のズボンを穿いて歩くようになれば、拝金主義は駆逐されるか?でも案外そうかもしれない。
(157) 老人と海(ヘミングウェイ):2度目か3度目。サンチャゴかっこいい!と言う印象は同じ。しかし何か生還してからの感じが、前に読んだ新潮文庫のと違う気がする。開き直りというか。明日はまた漁に出て行きそうな雰囲気。こっちの訳の方が好きかも。
(158) 賃労働と資本/賃金・価格・利潤(マルクス):資本論前夜。資本論よりもわかりやすいのだそうだが面白くはない。でも今では普通に使っている、利潤とか価格って昔は定義もなかったのなー。資本論を出版した時って感情教育の二月革命なのなー。フランスやイギリスに劣等感を持つドイツ人のマルクス君であった。
(159) ユダヤ人問題によせて/ヘーゲル法哲学批判序説(マルクス):若きマルクスの哲学者ぽかった頃。ユダヤ人はユダヤ教信者だからではなく金の亡者だからキライ。そういう意味ではアメリカはユダヤ人だ。確かに。だから日本はイスラエルに親近感もてたりするのか。そうかも。
(160) ポールとビルジニー(ベルナルダン・ド・サン=ピエール):アフリカ植民地の不毛の地に生きる未亡人(のようなもの)二人の娘と息子。牧歌的な恋は財産持ちの叔母さんの遺産話で暗転。ヴィルジニーは清純な心で島に戻ろうとするが、嵐であえない最期。救いのない話。
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