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2016年12月15日

抗うつ薬(7) まとめ

いわゆる「抗うつ薬」は、今まで書いてきた通りで
三環系抗うつ薬/四環系抗うつ薬/SSRI/SNRI/SARI(トラゾドン)/NaSSAの6種類。

「抗うつ薬」っていうくらいだから、うつ病の治療に用いられる薬である。
抗うつ薬は、うつ病(或いは抑うつ症状)にしか適用がないものが多いから(一部の薬は○○障害とかにも適用がある)、保険診療でこの手の薬が出ていたら、カルテにはたぶん「うつ病」って書いてあるんだな、と想像はできる。

でも、うつ病・抑うつ症状の治療に使われるのは、抗うつ薬だけではないので、話がややこしい。
「いわゆる抗うつ薬」じゃないものについて、「これは抗うつ薬ですか?」と時々聞かれるんだけど、返事に困るんだよね。どうせネットで検索すれば答えは出てくるので、いわゆる抗うつ薬ではないけど、うつ病の治療にも使われますね、、、と歯切れ悪く答えるのだった。「抗うつ薬」って名前だと、うつ病の治療に使うのはみんな含まれそうな気がするよね。命名が悪いと思う。

さて、抗うつ薬はNaSSAを除けば、セロトニンの再取り込み阻害作用がある。NaSSAは再取り込みは阻害しないけど、セロトニン作動性=再取り込み阻害によりセロトニンが増えたのと同じような効果がある、と考えられる。
要するに抗うつ薬=セロトニンが増える(ように思える)薬、という定義なのだな。うつ病がセロトニンが足りないために起こる病気と考えられている(まだ仮説だけど)のと呼応するわけだ。

足りないと欝々してしまうセロトニン、たくさんあったらさぞかし幸福感でいっぱいだろう!と思うきや・・・必ずしもそうでもないのだった。次回はそんなセロトニン症候群について。



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