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2008年11月30日

薔薇物語 (ちくま文庫)

図書館派の私は、読む本を選ぶのはかなりテキトー。だってつまらなかったら途中でやめて返せばいいんだし。この本は表紙の絵がいかにも中世ぽくて、騎士物語かな?と借りてきた。
読んでみたら中世の恋愛指南書だった。昨今の恋愛指南書と大きく違うのは、様々な障害や状況に「理性」とか「嫉妬」とか「中傷」とか概念が擬人化されておりタロットカードみたい。脚注が大量にあって当時の服とか食べ物とかいろいろ書いてあるのも面白いのだが、それ以上に面白かったのは、人間ってこういう点では案外変わらないのね、ということでした。

中世に較べると社会はかなり変わっているのに、ま、確かに女性の社会進出とかで恋愛の形も少しは変わったし、電話からケータイ、更にメールへと通信手段が変わったことでいろいろ変わった点も多いんだけど、男性が女性を口説く際の基本てのはあまり変わっていないのね。

十分なお金を持っていて、惜しげなく本人及びその周辺に貢ぐことが出来れば、まずかなりの確率で口説けるそうです。美しい言葉よりも美しいモノだって。認めたくはないけど確かにね~。口説き落とした後にも、失いたくないなら、ちゃんとフォローしないといけないそうです。そうだよね~。恋に落ちたら理性の言うことを聞いてはいけないそうです。理性に従えるくらいなら恋とはいえないもんね~。

今でもかなり使えるマニュアルだと思うので恋に悩む方は是非一読を。中世の若者たちも、こんなのを読んでアプローチしていたのか、と勇気が湧いてくるよ(ほんとかよ)。

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