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2017年1月29日

第一世代抗精神病薬(定型抗精神病薬)

第一世代抗精神病薬には、2種類の分類の仕方がある。ひとつは物質自体(化学式)に由来するもので、もうひとつは性質によるもの。

まずは単純な物質由来の分類で。

・フェノチアジン系:一番歴史が古いクロルプロマジンを代表とするグループ。名前が-アジン(-azine)で終わる。クロルプロマジン(商品名:ウィンタミン、コントミン)、レボメプロマジン(レボトミン、ヒルナミン)くらいかな。他にもあるけどあまり見ない気がする。プロクラルペラジン(ノバミン)は吐き気止めとしては見るけど、メンタルではどうなんだろ。
・ブチロフェノン系:名前が―ペロン或いは―ペリドールで終わる。ここはハロペリドール(セレネース)しか見ないな。他にもいろいろあるんだけどな。
・ベンズアミド系:名前が―ピリド或いは―プリドで終わる。スルピリド(ドグマチール)とチアプリド(グラマリール)他。スルピリドは胃潰瘍の類にも適用があるのが特徴的。
・イミノジベンジル系:名前が―プラミンで終わる。どれも触ったことない。うちのお店にもあるのかしら・・・
・その他:どんな分類でも分類しづらいものはある(笑)

もう一つの分類は

・高力価:力価が強い=効き目が強い。高力価に分類されるお薬は、ドパミンD2受容体の選択性が高い=ドパミンD2受容体をしっかり狙って遮断する。よく効いていいじゃないか、と思いきや、副作用も出やすいわけで。錐体外路症状(錐体外路については別途書くけど、症状としては意図せずに筋肉が動いてしまうこと。手足が震えるとか)が出やすい。高力価の代表格はハロペリドール。でもブチロフェノン系がみんな高力価かというとそういうわけではない。
・低力価:効き目がマイルド。マイルドなら副作用が少ないかというと、ドパミンD2受容体以外にもくっついて遮断してしまう=抗コリン作用や抗アドレナリン作用による副作用が出やすくなる。ううむ。抗アドレナリン作用=鎮静作用については、主作用(副作用ではなくて)と考えることもできる。低力価の代表格はクロルプロマジン。
・その他:どっちつかずなやつは高力価とも低力価とも言わない(どんな分類だよ)

 第二世代の登場によって第一世代は駆逐されたわけでもない・・・副作用があってもよく効くから使われるということなのかな。でも主流は第二世代(非定型)になっていることは確かだと思う。

次回は第二世代について。この分類がまた厄介なのだが。でも峠は過ぎたかも!

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