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2017年1月19日

統合失調症

治療薬について書き始めるつもりだったんだけど、その前に病名について少しだけ解説。

「統合失調症」は割と新しい呼び方で2002年についた。私の持っている教科書には精神分裂病と書いてある。英語はSchizophreniaで変化なし。中国語は・・どうも精神分裂症のようだ。思覚失調症ともいうらしい。なぜ名前を変えたかはWikiにも書いてある。精神が分裂する=理性が崩壊する病として、偏見がひどかったから。Schizophreniaは語源的に見ると「理性が分裂」なので、訳語として間違っていたわけではない。でも確かに、病気の実態は「精神が分裂」よりも情報がうまく統合されない、の方が近い。知的障害ではない。

「統合が失調」とはどういうことか。
例えば、音は耳から入ってくる音声信号だけど、それと自分の考えていることが別々に扱えなくなる=幻聴。自分が考える「こうだといいな(或いはこうだとヤだな)」と、実際に起きたことの区別がつかなくなる=妄想などなど。思考がぷつんと切れてしまったり、何もしゃべれなくなってしまう場合も。
正しい定義は・・・存在しない!
他の病気と含めて同じものなのかもしれないし、症状が似ているだけで全然別の病気が複数あるのかもしれないし、とにかく定義がないんだから、何とも言えない。

当然、原因もわかっていない。鬱病ではセロトニンが原因ということになってきた(まだ仮説)が、統合失調症にはドーパミン仮説というのが今のところ有望。でも旗色はそれほど良くなくて、グルタミン酸かも、という話も出ている。
家族性がみられることから、遺伝的要因と環境要因の両方と考えられている。これもまだ仮説。

原因はおろか定義も確立されていない病気なのに、お薬はある。
あるけど、これが意味不明に分類されていて・・・病気の定義が曖昧なのが原因なのかなぁ。。。
次回に続く。

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