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2017年1月3日

躁病・躁鬱病・双極性障害

躁病を英語でいうと、mania。(或いはmanicとも)・・・それっていわゆる「マニア」?

英語では、マニアのことをmaniaとは言わないんだよ。You are xx mania. て言ったら、は?と思われるかもしれない。躁病のmaniaはマニアではなくメイニアという発音だし。
とはいえmaniacとは言うので、意味は通じるのかな。偏執狂のイメージ。周りが目に入ってない。

躁病って良く知られている言葉だと思うんだけど、診察名としては今は使われない!今はね、双極性障害、と言います。あれ?それって躁鬱病のことでは?はい。躁と鬱の二つの極で「双極」です。

鬱病には単独の「うつ病」があるのに、躁病の方は単独の躁病がないらしい・・・
双極性の「躁状態」(とは言う)は、気持ちが高揚して全能感もあるので、本人は別にツラくない。周りは「いい迷惑」であることが多いが、うつ病のどよーんとした感じに比べると、治療する必要が薄いってことなのかな。そうかもしれないね。

双極性障害(躁鬱病)はそんな躁状態と鬱状態を繰り返す病気。正確には、躁状態と鬱状態を繰り返すⅠ型(周期が長め。年単位とか)と、軽躁状態(いわゆる躁状態よりずっと軽い隠れ躁状態)と鬱状態を繰り返すⅡ型(周期が短め。1日で入れ替わることも)がある。鬱病が時々良くなる=双極Ⅱ型、ということも多いんだって。

鬱病はセロトニンの不足が問題と思われている(モノアミン仮説)けど、鬱状態は・・・まだわかってない!少なくともセロトニンが過剰ということではないらしい。見た目が反対に振れているだけで、別の理由があるらしい。遺伝子で発症が決まるものではないけど、何等か発症に関係する遺伝要素はあるらしく、Ⅰ型家系とⅡ型家系は別々である。ふうむ。

原因がわかっていない病気なのに、治療薬はある。なぜ効くのかわかんなくても、躁状態に効くことは経験的にわかっている。
代表的なお薬が、リチウム塩(炭酸リチウム。商品名リーマス)。リチウムイオンが、躁状態を落ち着かせてくれる。炭酸リチウムは他に、花火になったり、耐熱ガラスになったりセメントになったりする!ちなみに電池になるのはコバルト酸リチウムで別物。

なぜ効くかわからない薬なんか飲めるか!という声が聞こえてきそうだが、案外そういう薬は多いの。とりあえず、リチウム塩は効くことが確実なんだからいいじゃん。逆に言うと、効くことがあまり確実じゃない薬も結構あるんだよ(笑)。

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