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2009年11月23日

光文社古典新訳シリーズ(1)

前に80日間世界一周の話を書いたけど、それは「光文社古典新訳」の1冊だった。割と面白かったので、同じ表紙のシリーズを次々借りてみたら、これがなかなか面白く、たくさんあるから次に何を読もうか考える手間も省けるので(笑)、固め読み中。古典名作だから昔読んだものがかなり含まれているんだけど、内容をさっぱり忘れていたものも多い。どういう判断基準なのか、児童文学もかなり含まれているのが特徴かも。10冊(分冊のものがあるので正確にはもう少し多い)終わったところで読書メモ。

(1) リア王(シェークスピア):よく知っている話と思いきや。こんな悲劇的結末だったっけ??サイドストーリーのエドマンド君の存在も全く記憶なし。普通のお芝居で使う台本と原作とは違うものなのだそうだ。でも原作も読んだ筈だけどなぁ・・・とても面白いのでお勧め。読書感想文にも向く。

(2) 初恋(トゥルゲーネフ):これも昔読んだ筈なんだけど、さっぱり記憶なし(笑)。この歳になって読むと、初恋が叶わない主人公よりも恋が叶って痛い目に遭うお父さんに同情。

(3) ちいさな王子(サン=テグジュペリ):普通は「星の王子さま」といいますね。でも原題はLe Petit Prince なんだから「ちいさな王子」の方が素直な訳ではある。これは好きな本だっただけに良く覚えていました。子供の時は「お花さん(バラ)」がヤなやつだと思ったけど、今読むと何だか気の毒な気も。こういう意地の張り方ってあるよねー。

(4) マダムエドワルダ/目玉の話(ジョルジュ・バタイユ):初めて読んだ。怖いとかグロテスクとかいう以前に性的表現が多過ぎ。電車で読めない・・・

(5) 飛ぶ教室(ケストナー):児童文学。これ子供の時に読んだんだけど・・・さっぱり記憶なし(笑)。学校寮(ギムナジウム)を舞台にした話なんだけど、同じ寄宿生活でもドイツとイギリスは違うのね、と思える。章ごとにある程度完結した物語なので、読書の嫌いな小学生の読書感想文にぴったり。

(6) 猫と共に去りぬ(ロダーリ):初めて読んだ。児童文学的短編集。ほとんど児童文学かも知れないけど結構毒があります。とてもイタリアぽい。特に表題作はローマ!って感じ。

(7) イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ(トルストイ):クロイツェル・ソナタは自分で買って持っていた位なのでよく覚えている。こんな話だった。「イワン」の方は初めて。ロシアっぽい!

(8) 鼻/外套/査察官(ゴーゴリ):鼻は読んだことあると思う(記憶なし)。トルストイより更にロシアっぽい。(と言いながらロシアって行ったことないんですけど)

(9) 地下室の手記(ドストエフスキー):初めて読んだ。読みにくい・・・。主人公の本音がどこにあるのかさっぱり判らないので、感情移入も出来ず、ええと?と思っているうちに読了。

(10) カラマーゾフの兄弟(ドストエフスキー):これも初めてかもしれない。登場人物の本音が良く判らない(多層的な表現、というのだそうだ)のは前出の「地下室の手記」と同じなんだけど、こっちは全然読みやすい。推理小説のような体裁だからかな(容疑者少なすぎだけど)。裁判の章はカタルシスを味わえます。終章は随分中途半端だが、ほんとは続編がある筈だったのだそうだ。面白かったのでお勧めしたいが、いかんせん長すぎ・・・もっと短くならんのかね。

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