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2019年2月19日

花粉症の薬(2)『鼻炎薬』

AJ個人的には、『鼻炎薬』は『花粉症の薬』とは思ってないんだけど、店先には並んで売られているんだよなぁ。いや花粉症に効かないわけじゃないんだけどさ。

『鼻炎薬』というのはAJ定義ですが、パッケージに「鼻炎薬」と書かれてはいる。「鼻水・鼻づまり」と大書してある場合が多い。成分としては、第一世代抗ヒスタミン薬+アドレナリン作動薬(+その他)な薬。

第一世代抗ヒスタミン薬は、第二世代抗ヒスタミン薬(=いわゆる花粉症薬)が出る前からある薬(そりゃそうだ)。
鼻水やくしゃみは、ばい菌等の外から来た悪い(ような気がする)モノ(=抗原)を体外に追い出そうとする免疫反応の一環。「出してー」という合図(NHK的に言えばメッセージ物質)として使われるもののひとつがヒスタミン。風邪とかの場合の鼻水やくしゃみは意味があっても、花粉は追い出さなくても平気なので合図は止めてしまいたい。そこでヒスタミン受容体(より正確にはH1受容体)にくっついてヒスタミンメッセージを受け取らないように邪魔する抗ヒスタミン薬の登場、というわけだ。
第一世代は第二世代よりも、H1受容体選択性が弱い=アセチルコリン受容体にもくっついてしまう=口渇や眠気等の副作用が出やすい(抗コリン作用)=緑内障や前立腺肥大症には禁忌。
だったら第二世代の方がいいじゃん、と言われそうだが、第一世代の方がすぐ効く、強く効く、と言う利点はあるのだ。眠くなるのも、感染症による鼻炎の場合にはむしろ好ましいと思うし。かゆみ止めとして使う場合も、深く眠れる方が寝ながら掻かなくて済むという利点になりうるのだ。ま、花粉症では取り柄にならんけどな。
具体的な薬剤名は、圧倒的にクロルフェニラミン(ポララミン)。メキタジン(ゼスラン)もある。・・・あれっ。メキタジンはどうやら第二世代の扱いになってるんだな。メキタジン配合のアルガードは、「アレルギー性鼻炎」にも効くって書いてあるし、セルフメディケーションマークも付いてる。メキタジンが第一世代なのか第二世代なのかはビミョーなんだけど、他の第一世代よりも副作用が弱いとは言えるな。

もうひとつの主成分、アドレナリン作動薬は、鼻づまりを解消するための薬。
アドレナリン受容体を刺激する(或いは、直接にはノルアドレナリンを放出させることで間接的にアドレナリン受容体を刺激する)薬剤。アドレナリン受容体については、降圧剤についてまとめた時に書いた。アドレナリン受容体を邪魔する薬についてはアドレナリン受容体のタイプに応じてαブロッカーとかα遮断薬とかいう方が普通なのに、刺激する方については、タイプ別に分ける呼び方は普通しない。対にした方が覚えやすいのに。ぶつぶつ。
降圧剤と逆の動きをする薬=血圧が上がる。鼻づまりが解消するのも実は、炎症を起こして充血していた鼻粘膜の血管を収縮させることによる。だから高血圧さんにはお勧めできない。アドレナリン作動=闘争と逃走=心拍も上がるし、血糖値も上がるから、心臓病さんや糖尿病さんにもお勧めできない。処方箋の時は慎重投与扱いなのであまり気にしなくて良かった(処方箋を書いた医師が判断済だから)けど、市販薬の場合はお客様が判断することになるので、「飲んではいけません」と安全サイドに倒さないといけないんだな。
具体的な薬剤名は、プソイドエフェドリンが多い。これってディレグラ配合錠に入ってたやつね。あとフェニレフリンとか。

どっちも強めの薬なので良く効くとはいえるのだが、鼻水ごときのために長く飲むのはリスク高すぎだと思うな。風邪とか感染症に対する薬としてはアリだと思うけど。
初めての症状でまだ花粉症かどうかわからない場合の数日様子見用か、いつもは薬なしで我慢してるけどここ数日だけなんとしても止めたい場合とか(でも眠くなるから受験には向かないな。お見合いとか?) 。
やっぱり花粉症には、第二世代抗ヒスタミン薬だね。或いはそっか、症状がひどすぎる/こじらせちゃった時に、こっちに切り替えるのはありなんだな。併用はダメだけどいつもの薬をお休みすればいいもんな。

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