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2012年12月2日

「読み直す1冊」シリーズ(3)

今回の5冊(文庫本で10冊)は童話が多く、短いものが多かったのであっさり読めた。
そうそう、松丸文庫は今年の9月で閉鎖してしまいました。残念だ。行く度に覗いていたけど、一度も買ったことないし、あんまり買っている人を見たこともないので無理もない気がするけど。バーチャルなら可能だと思うので再開してほしいね。ま、あの空間がとても面白かったのでバーチャルでは意味ないのかもだけど・・・

(11) トリスタンとイゾルデ(ワグナー/高辻知義:音楽之友社):検索してみてワグナーの歌劇だったことが判り、CDも合わせて借りてきて読んだ。松丸文庫リストは年代順に並んでいて、私はなるべく前の方から読んでいるんだけど、これは順番でいうと、山家集と百人一首の間。ワグナーてそんなに古い人じゃないのに??と思いながら読んだのだが、原作はアーサー王物語の類なのだそうで、その成立年から取っているのね。歌劇の方は物語の一部分だけを取り上げているため、オリジナルを読んでないと意味がわかりません。 歌劇として成立したってことは、当時のドイツの皆さんにとって常識だったってことよね。ううむ。ドイツとイギリスって仲が良かったのかな?
物語の内容はあまり騎士物語ぽくない。騎士物語は純愛が当然なのにこれ不倫だし。海っぽいのも意外。でもワグナー自体がドイツ人にしては海が好きだっただけかも。

(12) ブリタニキュス(ラシーヌ/渡辺守章:岩波文庫):タキトゥスの年代記(古代ローマ)を題材にしたラシーヌの悲劇。まだ暴君になっていないネロの物語として読むと奥行きがある(ネロの話は知っているというお約束でしょう)。年代記自体は読んでないけど、ラシーヌが史実を膨らませて面白くしたのは想像できる。
一緒に入っていたベレニスは大人の恋の物語。三角関係の3人とも恋を諦めると言う結末なのだが誰も死んでないぞ?これが悲劇って、全くフランス人というやつは。

(13) サンドリヨン(ペロー/渋澤龍彦:河出文庫):wikiでシンデレラに飛んだのでとてもびっくりした。サンドリヨンってシンデレラのフランス語なのだった。シンデレラがサンドリヨンの英語名と言う方が正しいのだろうけど。シンデレラってフランス語だと思っていた。英語には見えないよ、ぶつぶつ。
さて、河出文庫は渋澤 龍彦訳で挿絵も大人っぽくて素敵でした。サンドリヨンがガラスの靴を履くのは当時ガラスが高級品だったからだと思うし、赤ずきんのずきんが赤いのは、森に行くのに無駄にお洒落したり目立つ格好をしてはいけないよ、という教訓が含まれると思うが、長靴を履いたネコって、なんで長靴を履いているんだろう・・・ソックスを履いている(ようにみえる)ネコというのは良く聞くから、たぶん長靴を履いているようにみえるネコもいるのだろうけど、ストーリーとの関係が判らない。靴を履いていないと王様のお城に入れなかったってことかな・・・

(14) グリム童話集(グリム兄弟/池田香代子:講談社文芸文庫):ドイツ成立の頃に、ドイツ民話として集めた筈が、実は前出のペロー作フランス民話がたっぷり含まれていた、と言うあたりが笑える。フランスとドイツって近いし、言葉もそう遠くないから人材交流しやすいのね。3人兄弟(或いは姉妹)でダメと思われていた末っ子が成功する、という話が多い。兄妹はあるが姉弟は全くなし。若くて綺麗な女性(或いは少女)は性格が良くて幸せになることもあるが、人妻は魔女か性格の悪いおばさん・おばあさん。グリム兄弟は人妻は嫌いだったらしい。

(15) 人魚姫(アンデルセン/大塚勇三:福音館文庫):福音館だけど「文庫」だから、と思ったんだけど、思いっきり小学生向けだった。。。でも、挿絵がとても素敵だったので、アンデルセン全集の4巻とも読んだ。人魚姫かー。小学1年か2年の時に、好きな話を絵に描くという宿題があって、お絵かきが苦手だった私は、「人魚姫が泡になった後」を描いた(全体を青く塗って昆布みたいのを描いただけ)ら意外に好評だったなー(笑)。人魚姫はしみじみと泣ける。他にもマッチ売りの少女とか、スズの兵隊とか、何も悪いことをしてないのに幸せになれない物語が結構ある。もちろん素直に幸せになるのもあるけど。優しくて素敵なママが多いのがグリム童話とだいぶ違う。
それから絵のない絵本!とても良い。本人も旅好きだったそうですが、短いのにその街っぽさが出ていると思う。都市の幽霊として描かれているベネチアは、私の知っている観光都市とは全然違うんだけど、でも、あーこれはベネチアっぽい・・・と思った。行ったことがないであろう中国(たぶん広東)もそれっぽい。ちょっとあれ?と思ったのはナポレオンを英雄扱いしているくだり。ナポレオンはデンマークも侵攻した筈だけど、ナポレオンが嫌いじゃないということは、デンマークはイギリスが嫌い?

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