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2010年2月1日

光文社古典新訳シリーズ(2)

ますます好調の光文社古典新訳文庫。これ読んだ筈というものも多いが、このシリーズに入ってなかったら絶対読まなかったものも。

(11) 永遠平和のために/啓蒙とは何か(カント):新訳とは言え哲学書。ああつらかった。フランス革命前後に書かれたという年表を確認すると、その頃は新しい思想だったんだろうけど、今読むと、だから? という気が。

(12) 黒猫/モルグ街の殺人(ポー):元祖探偵小説。これは読んだ。壁に塗りこめるとか地下室にお墓があるとか、ヨーロッパなら今でもありうるのだろうが、推理小説って古びるの早いと思った。

(!3) ジェイン・エア(C・ブロンテ):読んだ筈だが記憶なし。ジェイン・オースティンの世界より僅かに下なんだね。階級社会は複雑だ。玉の輿に乗る女というのは、向上心がポイントなんだと納得。

(14) クリスマス・キャロル(ディケンズ):これは読んだ。ディズニーの映画でもおなじみ。スクルージといったら守銭奴の代名詞だけど、良く考えるとちゃんと改心したのに失礼だよね。

(15) 恐るべき子供たち(コクトー):確かに恐るべきだ。年齢的には大人に近いけど中身が子供。あまりに無軌道だが、パリならこんな人がいてもおかしくないなー。恐るべきだが魅力的。

(16) 肉体の悪魔(ラディゲ):たまたま続けて読んだのだが、コクトーとラディゲは歳の離れたお友達だったのだそうだ。題名がキケンそうだが、中身は恋愛小説だ。高校生と若い人妻だから不倫ではあるけど描写としてはキケンではない。恋とはこういう身勝手な病気だと今なら思うが、18歳でこれを書いたというのはスゴすぎる。自分の恋愛は美化してしまうものだがなー。

(17) グランドブルテーシュ奇譚(バルザック):同じく人妻不倫だらけでも、こちらはめいっぱい美化された恋愛短編集。笑えたのは著者の年表。まんま間男じゃんこいつ・・・

(18) グレートギャッビー(フィッツジェラルド):2回目。大筋は覚えてたけど、NYとロングアイランドの関係、第一次世界大戦を挟んだ恋愛の行方という点が今回は良く頭に入った。アメリカでも身分の差はあるのね。欧州ほど明確な壁がない分、難しいのかもしれない。

(19) 武器よさらば(ヘミングウェイ):読んだはずだけど記憶なし。同じく第一次世界大戦で欧州戦線に出掛けたアメリカ人の話だが、こちらは現地で恋人を見つける。終わりは想像付くが悲しい。

(20) 神を見た犬(ブッツアーティ):初めて読んだ。イタリア版社会派ショートショート。星新一的だが社会派な分、古びるのが早い。表題作含めて、聖人の登場が多いのがイタリアぽい。「わずらわしい男」が特にイタリア!な感じ。「秘密兵器」が面白かった。ありそう。

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