ページ

2009年4月14日

ジェーン・オースティン 固め読み結果

冬休みにエマを読んでから、少しずつハードカバーも含めて読み進め、やっと「ジェーンオースティンの読書会」でやっていた6冊全部を読み終わりました。代表作(長編)はこの6冊らしい。映画は前にも書いたとおりエマのストーリーが鍵になっているんだけど、所々で他のエピソードも登場していたことが判った。

エマ:結局一番お勧めできるのはこれ。主人公のお騒がせ女エマが、困ったちゃんなんだけどカワイイところもあり、少し設定を変えれば例えば現代のお嬢様女子高生とかでも映画化可能だと思う。感想文としては「いるいる、こんなヤツ」(笑)

高慢と偏見(Pride and Prejudice):Mr.高慢とMiss偏見の恋の行方。前半に高慢氏が高飛車なプロポーズを行うが偏見嬢がびしっと断ってしまう。申し込み方もスゴイが断り方がまたスゴイ。にも拘らず恋に落ちる二人。ロマンチックなのかコメディなのか。私は結構面白く読めましたが、ロマンチック好きもコメディ好きも物足りないだろうと思う。

分別と多感(Sense and Sensibility):分別嬢(姉)と多感(妹)のそれぞれの恋の行方。最終的に分別嬢は唯一の恋人と幸せになり、多感嬢は二番目の恋を掴む。予想通りでいまひとつツマラナイ。分別嬢の彼氏の元カノがヤな女なのだが物心共に幸せになるのが意外で面白い。

説得:回りくどいが一番判りやすいのはこれ。かつて家柄が釣り合わず別れた二人が再会し、少しずつ心を開いていく。イギリスでも家柄っていうか実は収入なわけねと思った。

ノーサンガー・アビー:これがもっとも俗物的。ストーリーより細部が面白かった。田舎の都会バースの社交の様子も面白いけど、僧院(アビー)を改築したお城に泊めてもらって恋人のお父さんは奥さんを殺したに違いないと思い込む勘違い振りもすごくイギリスっぽい。

マンスフィールド・パーク:いつもみそっかすだった主人公が最後には幸せを手に入れる話。ある意味でシンデレラストーリーかな。かなり地味だけど。不倫が扱われるのはこれだけ。

以上6冊。どれも読書感想文にはお勧めしにくい。話が長いし。
先日、新聞で「イギリス人が読んでないのに読んだことにしたことのある古典」のベスト10入りしていて、ジェーン・オースティンって古典?と思ったのだが、出版年代は19世紀初頭・・・ええっ!海を渡ったフランスではフランス革命から共和制を経てナポレオンが出た頃。そりゃ古いわ。内容はそれ程古臭くは感じませんが、原文は古い英語の言い回しが多いのかもしれない。
フランスの「フ」の字も出てきませんが、軍人は結構登場しており、成金だけど尊敬されていた。でも貴族がなるものではなさげに見えた。移動は馬車か馬で列車は出てこない。一家の主が新聞を読む場面が結構あったけど、新聞っていつからあったんだろう?主人公の多くは小金持ち(地方の弱小三流貴族)だけど、領民とお話しする場面は皆無。そもそも畑の描写も多くない(お庭の描写はたくさんある)。教会に行く場面は結構あったし牧師さんも出てくるけど、真剣に神に祈る姿はなかったような・・・読書感想文を書くとしたら、その辺の日常感覚を書くと面白いのかもね。

0 件のコメント: