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2018年10月7日

AST/ALT(GOT/GPT)

今回から肝機能系の検査値に移ります。

ASTはAspartate Transaminase(アスパラギン酸 アミノ基 転移酵素)、ALTはAlanine Transaminase(アラニン アミノ基 転移酵素)の略。
昔はGOT(Glutamic Oxaloacetic Transaminase グルタミン酸オキサロ酸アミノ基転移酵素)、GPT(Glutamic Pyruvic Transaminase グルタミン酸ピルビン酸アミノ基転移酵素)と呼ばれていた。今でもGOT/GPTと表すこともある。
なんで名前が変わったのかというと・・・AST/ALTと呼ぶのが世界の主流だから、であるらしい(笑)。アスパラギン酸からグルタミン酸へ、グルタミン酸からアスパラギン酸へ「相互変換」する酵素なので、意味としてはどっちでも間違ってはいない。最初からAST/ALTにしとけばよかったのにね。

この酵素が血液中で何をしているかというと・・・何もしてない。本来は組織の細胞中で相互変換酵素として働いているのだけど、細胞が壊れた時に「出てきちゃった」ものを測っているのだ。
だったら片方だけ測ればいいのではと思うけど、ALTは主に肝臓、ASTは肝臓にも多いけど心臓や赤血球など他の臓器にもある。従って「肝機能系数値」とはいうけど、ASTが異常に高くてもALTが正常なら、肝臓じゃないかも、と考える必要がある(他の検査値も見ないといけない)。ALTも高いけどASTがすごく高い場合はアルコール性肝障害が疑われる、とか、二つ測るには意味があるんだね。

正常値はだいたいどちらも10-30位。単位はU/L。リットル当たり何ユニットあるか、ってことね。ちなみにユニット=酵素の個数ではありませんよ。だったら血液を何リットルも採取しなくてはならないよ(笑)。ある時間内(1分)にある量(1μモル)の物質を変化させることができる(AST/ALTの場合はアミノ基を転移できる)酵素の量が「1ユニットの酵素」と定義されているのだ。

AJの最新値は30/20位でASTがちょっと高め。抗がん剤が肝臓を傷めつけてしまうのだった。でも2桁ならまぁしょうがないや、って感じ。3桁になると肝臓のお薬を飲むことになり、飲むとちゃんと数値が下がる。
厄介なのは、肝臓が壊れるのが副作用なのか病気のせいなのかわからないこと。最初に抗がん剤治療を始めた時は、肝臓系の数値が急に跳ね上がって、元々肝臓への転移を疑われていたために、急遽CT撮ります!ということになったのだった。画像診断の結果、単なる副作用とわかってウルソを渡されて治療続行。良かった良かった。その後、肝臓君はお薬慣れしたのか、同じ薬を使っても数値は2桁で収まっています。えらいぞ肝臓君。お酒も他のお薬も飲まないように頑張るから、この調子で頑張ってくれよ!

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