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2017年8月5日

くずもち、小麦粉でん粉製品(食品番号:15122)

2005年版で新たに収載されたくずもち。

食品成分表は正確には、「くずもち<葛餅>、小麦でん粉製品」という記載になっているのだが、小麦粉製のを「葛餅」とは書かないんだよ、さすがに。
「くず」餅と平仮名で書くか、「久寿餅」と当てる(川崎大師系)。

写真は亀戸名物 船橋屋の「くず餅」の盛り付け例。三角っぽく切ってあるのがお約束。

葛粉を使った葛餅のように透明ではなく、白こんにゃくのような薄灰色で、モチモチ弾力はありますが、葛餅のモチモチプルルンとは大分違って、ねっとりベタベタしたモチモチです。

パッケージを開けたところ。黒蜜と黄粉付き。
添付された説明書の冒頭を引用すると、
「厳選された小麦粉を仕込み水で練り、樹齢を重ねた杉の大樽に寝かせ待つこと450日。自然発酵した小麦澱粉粉を蒸し上げたくず餅は、ほのかな香りと酸味、しなやかな食感が特徴です」。
食品成分表の解説には、「『くずもち、くずでん粉製品』は主に関西で流通し、『くずもち、小麦でん粉製品』は主に関東で流通している。砂糖入りのきな粉や黒蜜を付けて食べることが多い和菓子である」とさらりと書いてある。
間違ってはいないのだが、これだと「葛粉」と「小麦粉」の違いだけに思えてしまうよね?そうではなくて、船橋屋の商品説明にあるように、「自然発酵した小麦粉澱粉を蒸し上げた」の所がポイントなのだ。こう見えても発酵食品なんですぜ!関西くずもち(葛餅)とは全然違う食べ物なのだ。

当初は葛粉を使った発酵食品で・・ということでもなく、最初から小麦粉だったらしい。なんで「くず餅」という名前にしてしまったのか謎。葛餅に似せて作ったにしては違いすぎ。「葛」と関係ないなら、「屑」に通じる「くず」餅という名前を普通は付けないと思うんだけど。
関東以外の人(特に関西人)が、何これ!と驚愕するのは無理もない。しかし関東人の多くはこのくず餅しか知らないのだよ。

AJにとっては、亀戸天神土産なんだけど、川崎大師と池上本門寺と亀戸天神の3つが有名どころであるらしい。寺社の門前で食べる名物ってことね。少しは日持ちするので昔からお土産向きでもあったんだろうな。
あまり一般的な和菓子とは思えないんだけど、「自然発酵した小麦粉を蒸し上げた」のは、他の和菓子とは大きく異なるので、食品成分として考えると収載する意味はあるのかもしれない。

それ食べたことない、という方は、東京のデパートならほぼ船橋屋は入っているので食べてみてね。感動の美味しさ・・・かどうかはともかく(笑)、独特の味がします。

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