「高尿酸血症」=血液の中に「尿酸」なる物質が多く含まれている、というのは漢字を見ればわかる。「尿酸」なる物質は、尿の中の酸性の物質なんだろうな、というのも漢字を見ればわかる。すると、本来は尿の中に排泄されるべき尿酸が、うまく排泄できなくて血液中に残っちゃっているから高尿酸血症になるわけだ、というのも容易に推測できるし、この推測で概ね合っている。
でも、尿酸って何なの?というのは案外知られていないのではないか。AJ自身は「尿素」とごっちゃになっている部分があって、ちょっと混乱してました。ちゃんと整理する。
ごっちゃになっていた「尿素」は尿に含まれる。ていうかたぶん、排尿は尿素を排出するのがメインのお仕事なんだと思う。栄養分に含まれる窒素の要らない分をヒト(ていうか脊椎動物)は、尿素として排出する。より正確にいうと、最初はより単純なアンモニアNH3が出来て、尿素回路という手順を踏むことで尿素CO(NH2)2という安全な形になり、血管で運ばれて腎臓に集められ、腎臓から尿の中に排出される。
「尿酸」は「尿素」とは関係ないけど関係ある。
鳥類や爬虫類においては、脊椎動物の「尿素」の役割をしているのが「尿酸」。つまり、鳥とかは、要らなくなった窒素を尿酸の形で尿(とか)の中に排出しているんだな。
ヒトの場合、尿酸は窒素の排出には使われてない。単にプリン体の代謝物である。
プリン体とは、カスタードプリンとは何の関係もなくて(そりゃそうだ)、核酸の一種。核酸とは、字の通りで細胞の核に含まれている酸。DNA/RNAと言った方が分かりやすいよね。核酸の内の半分は「プリン」と呼ばれる二つ輪っかの分子構造を持っているプリン体(グアニン、アデニン)で、残りは「ピリミジン」分子構造を持っているからプリン体とは言わない。
プリン体はどこから来るのか。食べたものから来るのが2割、と言われている。残りは体内で作ったやつが要らなくなった(使われた)もの。
昔は帝王病と言われてたくらいで、王様とか貴族様とかに良く見られるけど、一般平民はかかりにくい病気=贅沢な食事が原因と考えられていた。今では2割しか関係ないとわかって疑問符が付いている。でも栄養状態が良くないと患者が少ないことは分かっている。贅沢かどうかは別として「毎日ちゃんと食事する」のとアルコールを日常的に飲む、のが良くないんだろうね、たぶん。
もちろん、食事とは全く関係なく、遺伝的に尿酸を作り過ぎちゃう/尿酸を排出しにくいという場合もあって、日本人では後者が多いと言われている。
男女差がある病気で、男性がかかる率が断然多い。女性ホルモンが関係していることが分かっている。だから女性ホルモンが出なくなる(=閉経する)と女性でも高尿酸血症になりやすくなるわけだけど、今までの蓄積が違うから、痛風発作まで行きにくいってことなんだろうな。
さて、これで痛風の原因は頭に入ったぞ。次はやっと治療薬だ。
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