ページ

2017年7月23日

痛風の薬(1) 尿酸排泄促進薬

痛風というか、高尿酸血症の治療薬は大きく分けて3種類。

そのうちの一つが尿酸排泄促進薬。いちばん強力。
尿酸の排泄を促進する薬・・・ってそれは見ればわかるがな。

血液中の尿酸(とか)は、尿細管(腎臓の組織の名前)である程度は漉しとられて血液中に戻され(再吸収)、残りが尿の中に排出されるんだけど、この尿酸の再吸収を邪魔する=尿酸排泄を促進する。

血液中にあった尿酸がどんどん出て行って、めでたしめでたし!と思いきや。

一つのリスクは、急激に血中尿酸値が下がるので、尿酸の結晶化=痛風発作を起こす場合がある。
・・・なんで?尿酸値は下がっているのになんで?と思うかもしれないが、尿酸に限らず結晶化というのはそういうものなんだな。一定の溶解度を超したらそこでいきなり結晶になるわけではなく、過飽和状態で安定している場合がある。急激な濃度低下(ていうより濃度勾配かな?)は、目的通りに尿酸値を下げたにもかかわらず、虎に咬まれたような痛みを引き起こす・・・
治療しなければ良かったのに!と思うかもしれないな。でも、いつ痛風発作が起きてもおかしくない状態だったからそうなったのであって(医療者側の言い訳)。尿酸値は下がってるからね。

もう一つのリスクは、尿の中に大量の尿酸が出ていく=尿中で結晶化しちゃう場合がある。
尿中で結晶化しても、痛風発作にはなりませんが、結石になる。尿路結石というのはまた、猛烈に痛いのだった。生物は複雑だ、効けばいいというものでもないのね。

お薬の名前でいうと、ベンズブロマロン(商品名:ユリノーム)、プロベネシド(ベネシッド)。前者の方がメジャーな気がする。

0 件のコメント: