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2017年3月26日

第二世代抗精神病薬(2)MARTA

MARTAはMulti-Acting Receptor Targeted Antipsychoticsの略。
・・・今までとまたAの意味が違う!覚えやすいように分類してくれよ、ぶつぶつ。しかも、「様々な受容体に作用する抗精神病薬」ってあんまりな分類のような気が。

単純に受け取ると、第一世代はドパミン受容体を遮断するやつ、第二世代のSDAはドパミン受容体に加えてセロトニン受容体も遮断するやつ、MARTAはドパミン受容体とその他もろもろを遮断するやつ、と思ってしまう。

単語の意味ではそうなるが、実態は違うのだ。
第一世代はドパミン受容体を遮断するけど、その他もろもろも遮断してしまうことが分かっている。ムスカリン受容体(アセチルコリンの受容体)を遮断するから、便秘とかの抗コリン作用と言われる副作用が出やすい。ヒスタミン受容体も遮断するから眠くなりやすい(これは副作用にもなるが不眠対策としても使える)。むしろ第一世代の方が「様々な受容体に作用しちゃう」に当たると思う。ただし、残念ながらセロトニン受容体は遮断してくれない。

MARTAは第一世代と似ているけど、ムスカリン受容体の遮断は弱くて、SDA同様セロトニンHT2受容体の遮断が付いている。第一世代とSDAのいいとこ取りを狙った感じ?たぶん、様々な受容体に作用「しちゃう」のではなく、様々な受容体への作用を「狙った」のがMARTAという名前の由来なんだろうな。

MARTAに属するのは、クエチアピン(製品名:セロクエル)、オランザピン(ジプレキサ)の二つ。
WikiではクエチアピンがSDAに所属しているけど、普通はMARTAに分類すると思うね。MARTAはドパミン受容体もセロトニン受容体もブロックするからSDAだ、と言われるとそうともいうけど。

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