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2020年6月24日

COVID19関連用語:クラスター

COVID19関連用語として初めてこの言葉を報道で聞いた時、ずいぶん無責任な使い方だな、と思った。

先日、金田一秀穂先生が、カタカナのままにしないでちゃんと訳語を作った方がいいんだけど、そんな時間がないんだろうね、と言ってた。AJ自身はカタカナ語を使うこと自体は問題視してない。下手な訳語よりもカタカナのままの方が上手く伝わることもあるからね。特に専門系用語の場合。
でも今回の「クラスター」に関しては、「集団」で十分ではないかと思う。専門家会議が使う分には「クラスター」でも構わないけど、国民に知らしめる立場である政治家は言葉を吟味して使うべきだ。クラスターって何ですか?と先生に聞いて、これは「集団」じゃダメだなと思ったら、その理由も含めて新語をお披露目しないと。だいたいアンタは国民に伝えようって気持がないよね、と怒りながらテレビを見ていた。

閑話休題。clusterとは何か。
一言で言うと「集まり」。独立したものが集まっている感じ。ブドウの房が用例になっている。
一番覚えやすい例はたぶん「クラスター爆弾」だと思う。複数の爆弾をまとめて1個にしたもの。東京大空襲で使われたのもこの類で、ひとまとめの容器に入った爆弾が、落ちる途中でバラバラになって広い範囲に被害をもたらす。今回の用例に近い感じするよね。

AJ自身がこの言葉に最初に向き合ったのは、エンジニア時代にディスク構成用語としてでした。
wikiを読んでみる。クラスタとはディスク上の単位で、複数セクタをまとめたものである。ファイルシステムはセクタ単位ではなく、クラスタ単位で割り当てることで管理を省力化している。えーとつまりさ、物理単位であるセクタに、クラスタという論理単位をかぶせるわけだよ。そうすることで上位アプリは意識しなくてもディスクを二重化したり、物理的に分散させたりできるわけだ。
そのうちにディスクに限らず、「サーバクラスター」とか「クラスターシステム」とかも使うようになった。個々のサーバやら何やらを意識せずに使えるようにする。災害時の業務継続対策として流行ったな。意味合いはディスクの時と一緒。

「データ・クラスタリング」「クラスタリング解析」といったビッグデータ用語もあったな。
たくさんのデータを「クラスタ」にまとめるんだけど、似たような用語として「グループ化」「セグメント化」があるんだよ。今Googleしてみると同じ意味だと言っているサイトも多いけど、微妙に違うのよ。
うまく言えないけど、「セグメンテーション」はきっちり線を引いて分ける感じ。「グルーピング」だとラベルを付ける感じ。そして「クラスタリング」だととりあえず分けてみた感じ。予めちゃんと意図があるわけでもなく、こんな感じで分けるとどうかな?的なのが「クラスタリング」なのであり、「考えないでとりあえず分けてみる」のが新しかったのだ。

さて、COVID19用語として、「集団」がgroupやpartyではなくclusterなのは恐らく、飲酒だかクルーズ旅行だか夜の街だか実際には何らか目的を持って集まったとしても、感染という観点においては「たまたまその場所にいた」集団だからだと思うのね。
或いは、ここにいた感染者がこっちに行って更に感染者を増やして、って相関図を描いてみた時に、それがブドウの房に見えたからclusterにしたのかな?でも元々clusterの用例として人の集まりって用例があるしな。たぶん前者で正しい筈。
集まることに意味があるわけではなく、たまたま集まっている感じ。クラスター爆弾も、複数まとめて強力にしたのをそのまま使うわけじゃなく、最終的にはバラバラにするんだけど、最初はたまたま塊にしてるの、って感じなのかな。

「クラスター対策」はまぁいいとして、「クラスターが発生」については使い方として明らかに間違っていると思う。そこはせめて「クラスター感染が発生」って言ってよ。ほんとは「集団感染が発生」で十分だと思うんだけどなー。

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