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2020年6月9日

光文社古典新訳シリーズ(23)

こちらもCOVID19のせいで棚上げになっていたのだった。出版は進んでいるのでとっとと追いつかなくちゃ。今回はGuardian’sとの重複が半分を占めています。

(221) 詩学(アリストテレス):先日読んだ「薔薇の名前」でキーワードになっていた詩学。詩についての本で、喜劇や笑い?と思ってたけど、詩じゃなくて、古代ギリシャ劇(悲劇と叙事詩)についての本だったのね。総合芸術としての劇。要は芸術論だったのだ。古代ギリシャでは、韻律が大事だったんだって。脚韻ではなく、強弱(英語)でも音の数(日本語)でもなく、タ・タンとタン・タ・・・ってわかったようなわからないような。

(222) 今こそ希望を(サルトル×レヴィ):老いたサルトルが若いコミュニストのレヴィと会話。雑誌のための対談だけど、どうみても自己批判を迫られているサルトル。バシッと断言する天才サルトルではないところが逆にカッコイイです。お友達がみんな掲載に反対したのよくわかる。そして、バシッとではないながらも、20世紀末に絶望しながらも、やっぱり希望だと言う所がいいなぁ。年寄りには年寄りのカッコよさがあるね。2020年の今こそ希望を!

(223) リヴァイアサン(ホッブズ): 1巻目の後書きによると、昔は民主主義の元祖として習ったけど、今は中学校ではスルーされているらしい。確かに民主主義の萌芽というより王政復古待望論に見えるもんな(笑)。出版はクロムウェルの共和制成立時、ルソーの民約論より100年も前。合議制(貴族制)も民主制も否定はしてないが、王政と並べた書き方になっている。必要なのは「主権」であり、それがない状態では「万人の万人に対する戦い」になってしまうと。例として各国入り乱れて開拓中のアメリカが挙げられている。デモを否定してたり、今見ると反共和制にしか見えないんだけど、教会の政治介入否定や、何より「主権」が必要なんだ!=王権を倒すだけじゃダメ、と定義したことで、結果的に民主主義の元祖になったんだろうね。混乱するので読まなくていいと思う(笑)

(224) 宝石/遺産 モーパッサン傑作選(モーパッサン):同じ短編集なら「脂肪の塊」の方が好きかな。でも模造品と思っていた妻の宝石が本物だったという「宝石」はラストが微妙なハッピーエンドで好き。「遺産」はありそうな話でちょっと。他の短編も結末が見えてあまり感心はしない。つまらないとまでは言わないけどさ。

(225) 死刑囚最後の日(ユゴー):死刑(特にギロチン)反対を主張するための創作。確かに死刑で犯罪が抑止されるとは思えないし悪趣味だよな、ギロチンは特に。死刑囚が何の犯罪を起こした(と思われている)のかが描かれていないので、ドラマとしてはどうなの?と思うが、死刑廃止論としては個々の事情に触れたくないのだろうね。まだ死刑がある日本でこそ読まれるべきなのかもだけど、読んでも死刑廃止に傾くとは思えないな。ギロチン廃止にはなっても。

(226) サイラス・マーナー(エリオット):Guardian’s1000で済。

(227) シェリ(コレット):Guardian’s1000で済。

(228) シークレット・エージェント(コンラッド):Guardian’s1000で済。

(229) われら(ザミャーチン):Guardian’s1000で済。

(230) 白痴(ドストエフスキー):Guardian’s1000で済。

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