(85) アンネの日記(アンネ・フランク/深町眞理子:文春文庫): 何度目か。友達にはなりたくないけど、でも才能ある子だったんだな、と思う。生きていたらアンネの日記は発表されてないかもだけど、女流作家とかになってたのかも。ユダヤ人金持ちの子女、こういうお嬢さんに幼いヒトラーはふられてユダヤ人がキライになったのかもしれない。ありそう。
(86) 反橋(川端康成/竹西寛子:講談社文芸文庫):初めて。ははぁ。川端康成ってこういう文章を書く人だったのか。妖しいね。あなたはどこにおられるのでしょうか。マザコンなのだろうな。川端版の源氏物語、読みたかったなー。
(87) 欲望という名の電車(T・ウイリアムズ/田島博:新潮文庫):テネシーウイリアムズは高校生のころにハマって固め読みした。 一番のお気に入りはガラスの動物園だけど、これも割と好き。しかし。本当にあった電車だったのね。アメリカの地名ってやつは。ブランチは南部のお嬢様だったのね。読み直してみて背景がやっと頭に入った。これは「風と共に去りぬ」の外伝みたいなもんだな。
(88) 夜と霧(フランクル/池田香代子:みすず書房):文庫がなくてハードカバーで。強制収容所のあれこれを実際に収容されていた心理学者が書いたもの。人はどれほどにも凶悪になれるし、どんな劣悪な環境にも案外慣れる。わかる気がする。ユダヤ人と○○人がいるわけじゃなく、まともな人とまともでない人がいる。いつでもどこでも当てはまる真実。一番響いたのが「いい人は帰ってこなかった」。あー、そうなんだろうな。そう思える生き残りの辛さ。だからイスラエルって今でもあんな極端に走るんだろうな。
(89) 愛するということ(E・フロム/鈴木晶:紀伊国屋書店):これもハードカバー。題名とイメージ少し違う。恋愛に限らず「愛」について。少しイメージ古い。でももっと若い頃に読みたかったかも。でも読んでも役には立たなかったかも(笑)。原題はThe Art of Loving。愛は技術として習得できるものである。習得に向けて修行すべきものである。なんか違う方面の本と勘違いされそうだけど、そうじゃないのよ。
(90) ソロモンの指輪(C・ローレンツ/日高敏隆:ハヤカワ文庫):ハヤカワミステリではありません。ハイイロガン(鳥)のお父さんになってしまう科学者の話。ファンタジーじゃなくて、動物行動学の話。人間が飼うのに一番適した動物はやっぱり犬だそうです。犬よりもお気軽なペットは鳥。ただし鳥によるし、子供の時から育てないと相手がかわいそう。確かに。
(91) セールスマンの死(A・ミラー/倉橋健:ハヤカワ演劇文庫): 昔は親父さん達に可愛がられたけど今は会社のお荷物のセールスマン。マイホームは高い建物に囲まれて庭の花も咲かない。景気の良い大ボラを重ねるも、子供たちに愛されている(憐れまれている)と知って自ら死を選ぶのだった。悲しい。
(92) きけ わだつみのこえ(日本戦没学生記念会:岩波文庫):学徒動員された方々の遺稿。戦場からの手紙もあるけど、入営前の日記も多い。どこにでもいる普通の学生だったのだなと思う。戦争と言うのはこういうものなんだとしみじみ思える意味では、アンネの日記や夜と霧よりも身近。しかし一番びっくりしたのは、遺族の連絡先が巻末に載っていたこと。そんな昔の版じゃないんですぜ。個人情報保護法前ってこんな感覚だったのなー。びっくりー。
(93) 第二の性(ボーヴォワール/『第二の性」を原文で読み直す会:新潮文庫):こういう本だったのか。1冊目は生物学的歴史的検証。2冊目冒頭が有名な「人は女に生まれない、女になるのだ」。主張というより検証。しかし内容としては、うーん。働くことが「人」として生きることなのか、実際に働いてみると少し首をかしげるところもある。でも働けないよりは働ける自由は大事だ、それはそうだ。
(94) さすらいのジェニー(ギャリコ/古沢安二郎:新潮文庫):「さすらいのジェニー」と松丸文庫には書いてあったのでそれで探したら唐十郎の戯曲にたどり着いてしまい、なんか時代が合ってない?と著者名をチェックしたら違う本だった。角川文庫/大和文庫は「さすらいのジェニー」になっていますが、新潮文庫は「ジェニィ」。猫になった少年ピーターが野良猫ジェニィと旅をする話。ジェニィは理想のお母さんなんだな。切ない少年。寄宿舎に入ればいいのにね。猫好きは嬉しいかもしれない。猫になった気分がするから。ちなみに唐十郎の戯曲はこの本の後日談を書いたものだった。
(95) 恐竜物語(ブラッドベリ/伊藤典夫:新潮文庫):ブラッドベリの恐竜に関する短編を集めたもの。概ね星新一だな。監督が恐竜として映画主演するレックスが面白かった。灯台に恋する恐竜の話は泣ける。
(96) ライ麦畑でつかまえて(サリンジャー/野崎孝:白水社Uブックス): 主人公と近い年代に読んでるんだけど。こんな本だったか?もっと童話ぽい物語だと記憶していた。全然ファンタジーじゃなかった!博物館で妹とデートすると記憶していた。待ち合わせするだけだった。歩くのは動物園。まだ子供なのに大人ぽく振舞うのが「冒険」に見えてたのかもしれない。今読むと、NYなら冒険ではなく普通にアリだろうと思える。単に救いのない話。
(97) せみと蓮の花(坪田譲二:講談社文芸文庫): 初めて読んだ。表題作もいいけど、戸締り合戦が面白かった。エッセイのようなフィクションのような。奥さんの気持ちになるとやってらんないけど。
(98) 戦艦大和ノ最期(吉田満:講談社文芸文庫):学徒上がりのエリートとして初陣を大和で飾った人の実話。実話というのは重たいな。案外最初から無理だったのね。戦争はむなしい。
(99) アポリネール詩集(アポリネール/窪田般彌:小沢書店):ハードカバーで。ミラボー橋で有名なアポリネール。前衛詩人だったのか。カリグラムがある!!訳すの難しそう。わかんなくてもフランス語で読みたいかも。
(100) あなたに似た人(ロアルド・ダール/田村隆一:ハヤカワミステリ文庫):チョコレート戦争の人だった。サスペンス風味のショートショート。そう来たか、という終わりもあるけど、やっぱりねも多い。自動文章製造機は実現近いかも。もうあったりして。やだー。
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