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2016年6月19日

自律神経系

先週書いた周囲神経系こと末梢神経系は、更に二つに分類される。

ひとつは体性神経系(somatic nervous system)。体性神経系は感覚器からその刺激を脳に伝える感覚神経と、脳の指令を運動器に伝える運動神経からなる。
中央制御装置に対して、入力信号の経路と出力信号の経路ね、とIT業界の人なら理解するだろう。体性神経系は役割がわかりやすいのよ。でもね。

問題はもうひとつの自律神経系(autonomic nervous system)の方だ。
wikiは体性神経系を動物性機能、自律神経系を植物性機能と説明している。わかるようなわからないような。具体的には、「循環、呼吸、消化、発汗・体温調節、内分泌機能、生殖機能、および代謝のような不随意な機能を制御する。」
呼吸や消化は脳の働きとは関係なく動くもんね、と納得した気になるかもだけど、梅干しを見ると唾液が出るように、素敵な人を見るとドキドキするように、自律と言いながら必ずしも脳と或いは体性神経系と切り離されてるわけじゃない。
例えば、脳から足に「走れ!」と伝えるのは運動神経ではあっても、走るためのエネルギーを供給しているのは自律神経系の指示だったりする。胃の中に何か入れば「自律的に」消化活動が始まるわけだけど、胃瘻でも作らない限り、食べ物を胃に送り込むには飲み込むという「運動」が必要。
自律神経系と体性神経系(+中枢神経系)は、別々に機能しているわけじゃなくて、相互補完の関係にある。

ま、人間が「作った」機械とは違って、生物は進化の過程で「出来ちゃった」ものだから、この神経はこういう働きをする、なんてのは全部あとづけの説明でしかない。
キレイに説明できないのは、科学が十分に進んでないからでも、私の勉強が足りないからでもなくて(足りないことは足りないけど)、結局、「そういうものなのだ」と考えるしかないのだ(笑)。

つまり、自律神経系というのは、脳とか「じゃない」方の周辺の神経で、感覚器からの入力/運動器への出力「じゃない」方の神経のことを指す、と定義することにした。
6/29修正:英語版wikiを読んでみたら、「内臓の働きに影響する」って書いてある。これも大雑把だけど「植物性機能」よりは遥かにイメージしやすいので、「内臓神経」と命名することにします!

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