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2016年2月8日

高血圧の薬(2) ARB

「次回はニュースで見掛ける薬」と書いてほぼ一年。ニュースは全く見掛けなくなりました(笑)。

まずARB、次にACEについて書くつもりだが、まずRASから始めないとね。
・・・何でそんなに三文字略語なんだよう。略語のままだと覚えにくいけど、一個一個何の略だか覚えれば怖くない。別にスペリングを試験されるわけじゃないしさ。

RASは「レニン-アンジオテンシン系」の略。アルドステロンも入れてRAASと言われることもある。

最初に見つかったのはレニンだった。renはラテン語で腎臓を指す。腎臓から分泌されるのでreninという名前をまずは付けたんだと思う。そいつが分泌されると血圧が上がる。こいつが原因だ!と思いきや。
そうじゃなかった。レニンはアンジオテンシノーゲン(=アンジオテンシンの元)を分解してアンジオテンシンに変換する。この変換によって血圧が上がる。アンジオテンシンこそが昇圧物質だ、ということで、「血圧」を意味する「テンシン」(→テンション)と命名されたんだと思う。
ところが、レニンが作ったアンジオテンシンは、正確にはアンジオテンシンⅠ(AI)で、このままでは血圧が上がらない。これを更に変換する酵素がいて、アンジオテンシンⅡ(AII)という形になってようやく血圧が上がるのだった。

どうやって?AII自体にも血管収縮作用(前回書いたようにカルシウムイオンを細胞内に入れやすくする)があるんだけど、それよりもアルドステロンを分泌させることで腎臓でのナトリウム再吸収を促進させる。普通は過剰なナトリウムは排泄されるんだけど、それを体に戻すわけだ。すると体がしょっぱくなる・・・わけではなくて、しょっぱくならないように水分が増える=血液が増える=血圧が高くなる。
もうひとつは、バソプレッシン(抗利尿ホルモンADH)を分泌させることで、水分が尿として出て行きにくくする=水分が増える=以下同文。

昇圧ホルモンAIIの働きをブロックしよう!と登場したのが、ARBとACEなのだった。

ARBはアンジオテンシン受容体ブロッカーの略。英語ではsartansと呼ばれることもある。みんな名前に「サルタン」 と付くからね。こいつらはAIIに形が似ていて、AIIがくっつくべき受容体(より正確にはタイプ1受容体)にくっついてAIIがくっつけなくする=アルドステロンやバソプレッシンが分泌されない=血圧があがらなくなる。

製品名でいうと、ニューロタン(ロサルタン)、ブロプレス(カンデサルタン)、ミカルディス(テルミサルタン)、ディオバン(バルサルタン)、オルメテック(オルメサルタン)、アバプロ(イルベサルタン)あたりが有名どころかな。割と最近出てきた薬なので高い。ジェネリック薬がそろそろ出てきているものもまだないものもある。

2013年から2014年にかけて騒がれていたのがディオバンだったのだが。さっぱり皆さん忘れましたね(笑)。ディオバンは今でも人気だよ。あの騒ぎももともと、誇大広告しようとしただけで、効かなかったというわけじゃないから、お飲みの方もご安心下されませ。

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