ARBと並んで覚える都合からか、ついACEと書いてしまうんだけど、ACEというのはAngiotensin Converting Enzymeの略で、アンジオテンシンⅠからアンジオテンシンⅡ(AII)に変換する酵素のこと。もしこの酵素を増やしたら、AIIがたくさん出来ちゃって血圧が上がってしまうよ。高血圧のお薬になるのは、ACEではなくて、ACEの邪魔をする「ACE阻害薬」です。
ACEの邪魔をするからAIIが少なくなる。出来ちゃったAIIの邪魔をするARBよりも前段階で対応するということだね。上流工程で対応するこっちの方がARBよりいいのでは?と考えたくなるのだが、あまりそうとも言えないのだ。生体というものはそんなに単純にできてないのだよ。
ACEはAIをAIIに分解する酵素だけど、他の物質(ブラジキニンとかサブスタンスPとか)の分解にも関係していることがわかっている。他の物質が分解されなくて多くなっちゃうために、空咳等の副作用がでる場合がある。透析(正確にはAN69膜を使った透析)も危ない。まだ知られていないだけで、他にもダメなことがあるのかもしれない。医療の世界では、「元から断つ」よりも、なるべく端っこに効くものの方が安全と考えられるのだった。
ARBは一般名にみんな「サルタン」が付くのでsartansと呼ばれることがあると前回書いた。ACE阻害薬はみんな「プリル」が付くので、prilsと呼ばれてもいい気がするのだが、呼ばれてないらしい。少なくともwikiにはそう書いていない。書いてないけどみんなプリルが付く。商品名では、レニベース(エナラプリル)、タナトリル(イミダプリル)あたりが一般的かな。
0 件のコメント:
コメントを投稿