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2019年3月4日

花粉症の薬(4) 点鼻薬

花粉症の内服薬(アレルギー専用鼻炎薬)は処方箋のと同じのが多くて覚えやすい、と思ったAJだったが、戸惑ったのが点鼻薬。処方箋ではステロイド点鼻が主流だったのに、市販薬は違うのだ。最初はステロイド点鼻は高いからねぇと思ったが、ステロイド点鼻だけが高いわけじゃない。いろいろ配合されてるのも高い。
そして何より厄介なのは、成分が全然違うのを同じブランド名で売っているので、名前を最後まで/パッケージ色等の特徴を覚える必要があること。まるで総合感冒薬状態。これじゃうっかりパッケージ変更も出来ないんだろうな。ま、成分が違っても値段が違わなければ買う方は気にしないかもだけど・・・でも中身が全然違うんだよう!

まずはステロイド点鼻。
数は多くない。お値段高めで1500円~2000円位。「季節性アレルギー専用」とか「アンテドラッグステロイド」とか書いてある。処方箋では主流だったのにドラッグストアではあまり人気ない感じ。
成分としては、ベクロメタゾンプロピオン酸エステル(リノコートと同じ)一択。パウダータイプはないので、刺激感はあるかもしれないな。
1瓶で何回分なのかどこにも書いてないんだけど、検索してみるとアレルカットEXcは25日分、ナザールαは3週間(どちらも1日4回最大使用で)と書いてある。値段もそんなに違わないので全社横並びなんだろう。普通は1日2回で使うと思われるので、1瓶で1か月半位使える→内服(アレルギー専用鼻炎薬)飲むよりは安いじゃんか。点鼻だけで症状が治まれば、という条件は付くけど。
しかし、外用とは言えステロイド。ゴニャゴニャと注意事項が多くて二類の割にハードル高い。
まずアレルギー専用鼻炎薬と同じく毎日使い続けることが大事なのだが、にも拘わらず使用できる期間に制限がある。なぜか製品によるのだが、3か月か1か月。えーっ!!花粉飛散期間より短くないか?!処方箋の場合は医師が診察するからいいけど、市販薬ではお薬が効きすぎる分、花粉症じゃない場合の心配をしなくてはいけないてことだろうな。ううむ。
感染症は当然として、糖尿病、高血圧、緑内障、妊婦と使えない人も多い。18歳以下も禁止なのね。医療用は子供用が出てるのもあるのに。ぶつぶつ。
これでは指名買いの人にくどくど説明して売る位でお勧めはしかねるな。良く効くのになぁ。

次は第二世代抗ヒスタミン薬の点鼻。
処方箋用ではリボスチンとザジテンが双璧で、ステロイド点鼻群からだいぶ遅れた次点のお薬だったが、ドラッグストアでは更に少数派。医療用と同じザジテン点鼻が出ている。
容量が2種類あって1000円~1500円。1日4回使うので小さい方で1週間分。これも基本的に使い続けるお薬なので結構な値段になるな。第一世代に比べれば少ないが、眠気への注意は必要。期間制限とかはないのでその点ではステロイド点鼻より使いやすい。ネックは値段かな。むしろ1日4回か。

売り場の大多数を占めるのが、血管収縮薬(アドレナリン作動薬)+αの配合薬。
処方箋ではコールタイジンが代表格かな。他の点鼻薬にプラスしてすごく重い時だけ使うという処方なのだが、ドラッグストアでは多数派で並んじゃってるのが怖い。
内服の『鼻炎薬』にも書いたように、アドレナリン作動薬は血管を収縮する→鼻づまりを解消する。すぐにかつ劇的に効く。内服に比べれば影響は局所的で、内服では禁忌扱いの高血圧や糖尿病等なども相談レベルになっている。しかーし。これ連用すると効かなくなる!むしろ悪化!!(薬剤性鼻炎)という副作用があるのだった。成分名としては圧倒的にナファゾリン。
お値段は配合されるお薬による。
安価なのは第一世代抗ヒスタミン薬(圧倒的にクロルフェニラミン)との配合。500円~1000円位。内服だと割と眠いのだが、点鼻は量が少ないせいか眠気に注意とは書いてないし、抗コリン作用も相談扱いでそういう意味では売りやすい。
高めなのは、上記にクロモグリク酸(インタール)が追加されたタイプ。1000円~2000円くらい。クロモグリク酸はケミカルメディエーター(ここでは主にヒスタミン)遊離抑制薬の一つ。ヒスタミンを抑えるって意味では「抗ヒスタミン薬」と言えそうなものだが、抗ヒスタミン薬=ヒスタミン受容体ブロッカーなので違う。つまり効き方が違うの。だからこそ抗ヒスタミン薬との配合もOKなわけだ。こちらは眠気への注意喚起がある。インタールに眠気って副作用ないと思うけど?併用だとクロルフェニラミンが強く効きすぎるってこと?まぁ内服ほど心配いらないと思うが。
医療用のインタール点鼻はAJが昔いた薬局では少数派だったが根強いファンがいたなぁ。1日6回まで使えるところがお気に入りだと言ってた。6回点鼻が必須だと大変(ほぼ守れない)けど、「6回まで」だとずいぶん違うよね。しかしアドレナリン作動薬との配合では何回も使うと危険なので、この利点は活かせない。むしろ成分がいろいろある方が良く効く→点鼻の回数を減らせる→連用回避という観点で勧めるんだろうな。
他には、グリチルリチン(抗炎症)、リドカイン(鎮痛剤)、殺菌剤(ベンゼルコニウム)とか配合されているのもある。いろいろ入っていればいいってもんでもない気がするけど。

「花粉症薬」と「鼻炎薬」の使い分けと同じで、「使い続ける点鼻」と「使い続けない点鼻」の違いを気を付けないといかんな。これも内服みたいに棚を分けた方が良くない?

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