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2017年6月25日

病としての痛風

「痛風」が病名なのか症状なのかは少し微妙になりつつある。2017年現在は、病名と言ってもいい気がするけど、もう少しすると症状名になってたりして。
というのは、「高尿酸血症」の方が病名として通りがよくなってきたから。

痛風の直接原因は、血液の中に「尿酸」という物質がたくさんありすぎることにある。(というか、それを原因とする痛み等の諸症状を痛風と定義した、ってことだけど)。

でも「尿酸値が高くなった時」に「痛みの風」がやってくるわけではないんだな。尿酸値が高いという背景があって、そこに免疫反応が加わって「痛風発作」と言われる風のような痛みがやってくる。風が去っても尿酸値は高いまま。 逆に尿酸値は十分高いのに、痛風発作は起こしたことがない、という人も多い。また、尿酸値が高いと、痛風発作以外にも腎臓へのダメージがある。
つまり「痛みの風」抜きでも、尿酸が高い=治療の対象であり、「高尿酸血症」の方が分かりやすい病名、ということになる、ような気がする。

尿酸は水には溶けにくい物質なので、尿酸が一定以上の濃度になると、溶けきれなくて結晶になってしまう。結晶として体内のどこかに貼り付いているんだけど、それが何らかの理由でポロリと剥がれた時に、白血球が何だこれ!異物だ異物だ!と騒いで免疫反応=炎症を起こしてしまう。これが「痛みの風」こと、痛風発作。なんでさっきまで貼り付いていたものが剥がれ落ちると異物に見えるんだろうねぇ。謎。

結晶は血管中のどこにでも出来うるので、痛風発作もどこででも起こりうるのだが、足の親指の付け根の関節が好発部位とされている。足は体温が低いとか比重が重いので足にたまりやすいとかいろいろ理由は考えられている。もちろん必ず足の親指から始まると決まってるわけではない。

尿酸結晶が剥がれ落ちる理由はいくつかあって、完全には分かってないけど、物理的な刺激(これはわかりやすいね)、急激な尿酸値の上昇(脱水症状、アルコールの摂取)、そして急激な尿酸値の下降!。つまり、尿酸値を下げるお薬を飲むことで痛風発作が誘発されうる、ということだ。やだー!!
とはいえ放っておくと痛風発作は起こりうるので治療はした方がいいと思うよ。

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