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2014年9月2日

胃薬(2)

処方箋に登場する「胃薬」の7割は、AJの考えでは(根拠なし)「H2ブロッカー」だと思う。代表的な商品名でいうと「ガスター10」。
これは、出過ぎの胃酸が出にくくするお薬で、方向でいえば制酸剤の仲間。出てしまってる胃酸を単にアルカリで中和する(ためにアルカリに傾きすぎるリスクがある)制酸剤とは異なり、胃酸を出すための伝達物質(のひとつ)を邪魔して出にくくするもの。

H2のHはヒスタミンのこと。ヒスタミンって聞いたことある人多いと思う。
風邪薬や花粉症の薬に含まれていて眠くなる成分=「抗ヒスタミン薬」と同じものってこと?

答え:同じじゃありません。同じじゃないんだけど・・・

鍵は「H2」の「2」の所にあるのだった。ヒスタミンという伝達物質自体は同じなんだけど、それを受け取る(検知する)仕組みが2種類あって、H1受容体とH2受容体と呼ばれている。「抗ヒスタミン薬」はH1受容体の方を邪魔するもので、「H2ブロッカー」はH2受容体の方を邪魔するやつ。

・・・なんで「抗ヒスタミン薬」と「H2ブロッカー」って言う名前にするかな。ぶつぶつ。
英語はwikiを見る限りわかりやすくなっていて、抗ヒスタミン薬の英語版の中に、H1受容体拮抗薬(日本語でいう抗ヒスタミン薬)とH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)の説明が並んでいる。こうあるべきだと思うんだけど。
日本語版抗ヒスタミン薬の説明にも明記されているように、日本語の「抗ヒスタミン薬」は通常、「H2ブロッカー」を含まないんだよ。H1とH2の違いなだけなのに。

ちなみに、H2ブロッカーの英語は、"H2 (Receptor) Blocker"でも通じるけど"H2 (Receptor) Antagonist"が一般的らしい。Googleでもantagonistの方が3倍くらい多くヒットする。確かに「ブロックする」よりは「競合する、敵対する」の方が作用機序として正しい気がする。
日本語でもWikiにあるように「H2受容体拮抗薬」という言い方をしないわけじゃない。でもあまり使われてないと思う。
中国語は「H2受体阻抗剤」。ふむ。この名前を知っていればたぶん「H2受容体拮抗薬」と書け
ば察してもらえる気がする。

 H2ブロッカーの一般名(商品名じゃなくて)としては、シメチジン、ニザチジン、ファモチジン、ラニチジン、ラフチジン、ロキサチジン。みんな「チジン」で終わるので覚えやすい。他の薬も全部こうだといいのにな(笑)。

次回の胃薬(3)は、AJが全幅の信頼を寄せるPPI。変な名前と思っていたけどちょっと調べると納得の名前なのだった。

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