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2019年5月17日

思い出の本と食べ物:長くつ下のピッピ

先日、斎藤美奈子さんが子供の頃に読んだ「長くつ下のピッピ」について、大人を困らせるピッピを困ったちゃんだと思って感心しなかった、とか書いているのを読んで少しショックを受けた。美奈子さん(と勝手に呼んでいる)とは意見が合うと思ってたのにぃ。でも続けて、小学校低学年で読んだら違うかもと書いてあった。私がピッピに出会ったのはまさに小学校低学年なので、そういう問題なのかも。

今回読み直してみたけど、確かに困ったちゃんだとは思うけど、やっぱりピッピは好きだ。カッコイイと思う。破格の力持ちかつお金持ちで怖いものナシ!

私が読んだのは、定本の岩波版ではなく、講談社の「国際アンデルセン大賞名作全集」。装丁もお気に入りのハードカバー。国際アンデルセン賞って、先年「魔女の宅急便」の角野栄子が受賞して話題になったやつだね。検索してみると受賞対象作はピッピじゃないんだけど。まぁいいか。
岩波3冊分(長くつ下のピッピ、ピッピ船に乗る、ピッピ南の島へ)が講談社はハードカバー1冊に入っているんだけど、いくつかのエピソードが省かれている。今回は両方を読み比べてみた。岩波の方も子供の頃に読んではいるようで、手持ちの本にはないストーリーもちゃんと覚えていた。好きだったから繰り返し読んだんだろうなぁ。
挿絵の雰囲気も岩波のとはだいぶ違うんだよ。右はAJお気に入りの、樫の木の上でコーヒーを飲む場面。ピッピ達に憧れてよく公園の木に登って遊んだ。真似と言っても、コーヒーは勿論お茶もジュースも木の上では飲めなかったけど、お菓子は食べました。

挿絵は違うけど、もちろん翻訳も微妙に違う。
私が今回書こうとしている「オートミール」についても、岩波少年文庫では「おかゆ」になっている。検索してみるとどうも、原作は"Gröt"で「おかゆ」の方が正しいようだ。スウェーデンではお粥としてオートミールも食べるが、"Gröt"だとオートミールに限らない模様。なんで講談社はオートミールって訳したんだろう。「おかゆ」では日本の粥みたいだから、違うものだということを表現したかったのかな?まぁいいか。

トミーとアンニカ(ピッピの友達で「フツー」の子供たち)の病み上がりの食事として出て来るオートミール。二人はピッピに怒られながら、でも二さじ以上は食べられない。
ドロドロの日本の病人食=全粥が苦手のAJは、オートミールってのも相当不味い食べ物なんだろうと子供のころからずーっと思っていたのだが、今回意を決して買って来ましたよ、オートミール。

でもうっかりアメリカのオートミールを買ってしまった。まぁいいか。
パッケージに入っているシリアル風のもの一袋に、ホットミルク半カップを注ぐ。少しミルクが多かったかな。商品写真よりも緩く出来上がった。

食べてみると、、そんなに不味くないじゃん。
シリアルみたいに冷たい牛乳で作れないのが面倒だけど、 概ね単調なミューズリー。ドライフルーツやナッツミックスを足して食べれば美味しく食べられそう(それじゃ病人食にはならないか)。
トミーとアンニカが持て余してたのは、これではなくもっと全粥状態のお粥なのかもしれないな。

長くつ下のピッピでもうひとつ長らく引っ掛かっていたのは、前にも書いたことがあるけど「かぎたばこ」。
無人島で遭難した3人が救援を求める手紙(瓶に入れて投げる)に、『かぎたばこなしで今にも死にそうです』 と書けとピッピが指導し、もともとタバコなんて吸ってないし!とトミーが抵抗するのだが。
「嗅ぎ煙草」なんて存在を知りもしなかったAJはずいぶん長い間「鍵煙草」だと思っていました。ここは単に「たばこ」と訳しても良かったんじゃないかなぁ、ぶつぶつ。

さて、今回岩波少年文庫を読んでみて、解説(訳者のことば)にびっくり。「長くつ下のピッピ」という風変わりな名前(ピッピの姓名です)はなんと、「あしながおじさん」のスウェーデン語(Pappa Långben)から取られたというのです。唐突な名前だと思ってたんだけど、今更の納得。

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