総タンパク(Total Protein、TP)とは、血清中に含まれる全てのタンパク質の総量。全て、っていうけど、アルブミンとグロブリンの2種類と考えてイイ(硫酸アンモニアに混ぜると沈殿するものをアルブミン、しないのをグロブリンと呼ぶことになっているので)。基準値はだいたい6-8g/dl。
アルブミン(Albumin、Alb)は卵白を語源とするタンパク質。 albのところが白って意味だもんね。
待てよ、蛋白質って漢字は、卵の白身の質=アルブミンのことなのか?そうとは言えないらしい。卵白はタンパク質が主成分で、タンパク質の内の6割がアルブミンだけど、アルブミンじゃないタンパク質もある。英語(他)のProteinの方には、「卵」も「白」も含まれないのだが、Proteinの例として卵白があると書かれたのを、あー卵白の成分ねと思い込んで蛋白質という字を当ててしまったらしい。間違っているわけではないし、実体を思い浮かべやすくていいのかも。
アルブミンは血清タンパク質の5割から7割を占める主成分なのだが、肝臓に障害があると減ってしまう。なんでかというと、アルブミンは肝臓で合成されているから。アルブミンだけ多すぎる場合は肝臓が働き過ぎ(脂肪肝)を心配しなくてはならない。
タンパク質を食べると胃とか腸とかで消化されてアミノ酸に分解され、それが肝臓までやってきてアルブミンに合成されるわけだ。アルブミンは血液中で、いろいろ運搬したり、浸透圧やPH調整に役立っているのだそうだ。前回書いたビリルビンも、脾臓で出来た間接ビリルビンが肝臓に行くのに、アルブミンにくっつけて運搬してたりする。アルブミンの基準値は概ね、4-6g/dl。
アルブミンの量を測るだけでは、低い=肝臓が悪いのか?と思ってしまうが、そもそも原料であるタンパク質をちゃんと食べてない(=低栄養)と合成も出来ないわけで、総タンパクも測る必要がある。
すると、総タンパク、アルブミン、両者の比率、と言う三基準になりそうなものだが、そうではなくてグロブリンとの比率なんだよ。なんでかなー。
グロブリン及びA/G比については次回。
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