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2016年4月4日

高血圧の薬(4):利尿薬

2016年現在、高血圧治療薬の主流(第一選択薬)とされているのは、(1)カルシウムチャネル拮抗薬、(2)ARB、(3)ACE阻害薬、(4)利尿薬の4つである。

こう書くと、「利尿薬」も他の3つと並んで「高血圧治療薬」のサブセットに見えるんだけど、利尿薬に関しては、「利尿薬」という独自の項目であって、高血圧にも使われる(ものがある)と言う方が正しい。利尿作用を利用して血圧を下げるわけだ。

利尿とは、尿を利する=尿量を増やす薬。英語ではdiuretic。
"ure"は尿と関係ある言葉なのわかるけど、接頭語がなんで否定の"di-"なんだろ。出て行かない感じがするんだけど。もともとureticの方に出ていく=否定的な感じがあって、di-が付くことでもっと出ていく感じになるんだろうか。英語の語感は難しい。

尿量が増える=血液量が減る=血圧が下がる、のはわかりやすい。ただし尿量が増える作用があればそれを利尿薬と呼ぶかというと、そうではないからややこしい。ARBやACEも利尿作用があるけど、こいつらは普通は利尿薬とは言わない。高血圧治療薬と呼ぶ。

じゃあどういうのが利尿薬なのか。wikiにはハッキリとは書いてないけど、腎臓に直接働きかけるお薬を利尿薬と呼ぶ、のが正しいようだ。腎臓のどこにどんなふうに作用するかでいくつか種類があるけど、詳細は高血圧治療薬じゃなく、利尿薬として別途勉強することにして、
高血圧治療薬としては、ごく少量で使われることが多い、ことを注記しておく。尿量はそんなに増やさなくても、ちゃんと血圧が下がるんである。

第一選択肢の一つと言う割には、これだけ処方されているのを見たことないような。他の3つのどれかとセットになっていることが多い。

アメリカでは利尿薬だけで処方されることも多いらしい。他のお薬と較べて格段に安い(桁が違う!)ので、安い健康保険の人でも安心して使えるからじゃないかな。安いからって降圧作用が弱いわけでもない。副作用が多いわけでもない(少ないわけでもないけど)。なんでもっと使わないのかね。アメリカの真似すりゃいいってもんでもないけどさ。

降圧剤として良く見かけるのは、アルダクトン(成分名:スピロノラクトン)とフルイトラン(トリクロルメチアジド)あたりかな。ラシックス(フロセミド)だと、降圧目的というより利尿作用を買われている気がする。

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