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2015年7月12日

松風(食品番号:15063)

お待たせしました(誰も待ってないって)。食品成分表の和干菓子、ボーロの次は松風。
・・・って知らない人多い気がするんですけど。

私は松風という名前のお菓子を知ってはいて、お気に入り和菓子のひとつなんだけど、商品名なのか一般名なのか今一つ自信が持てなかったのだ。検索してみると、熊本銘菓という記述も多い。

食品成分表の定義では、 「小麦粉、砂糖、水あめ等をこねた生地を平らにならし、けしの実をふりかけて焼き、熱いうちに切ったものである」。うーん、この記述ではどっちも当てはまってしまうぞ。

私のお気に入りの松風はこんな。
京都、亀屋陸奥の松風。ご存知の人もいると思うが、司馬遼太郎の「燃えよ剣」に登場するもの。私も「燃えよ剣」で読んで、どれどれと修学旅行の際に買って食べてみてからのファンでございます。今はわからないけど、昔は京都高島屋のお店では切残しを売っていて、京都に行くと絶対買っていました。
写真ではフカフカに見えるかもだけど、歯ごたえのあるフカフカ。ベタベタ甘い(褒めてないじゃん)。でも美味しいんだよう。南蛮菓子味。
商品説明によると、織田信長が石山本願寺を攻めた時に、本願寺側に兵糧として差し入れたのが始まりらしい。原料は、小麦粉・砂糖・麦芽糖・白味噌・ケシの実。「白味噌」が味のポイント。

対して、熊本銘菓の松風はこんな。
極薄~。松風本家の正観寺丸宝さんのもの。原料は、甜菜糖・小麦粉・玉子・ケシの実。
味は亀屋陸奥のと似ているけど、ぱりっと薄いこともあって、瓦煎餅の極薄版に感じられる。

さて食品成分表に載っているのはどっちなのか。さっきの文だけじゃわからないけど、原材料配合割合として「小麦粉(薄力1等)100、砂糖(上白糖)100、水あめ12、炭酸アンモニウム0.4、重曹(炭酸水素ナトリウム)0.2」と書いてある。
重曹、ということは極薄の熊本ではなく、フカフカの亀屋陸奥の方が近いと思われる(亀屋のは重曹は使われてないようだけど)。
そして、熊本松風には商品説明に「京の食文化がもたらした菊池一族の置き土産、長い年月を経て、より薄く進化を続け」と書いてある。つまり、京の松風が熊本で薄くなって熊本銘菓になったわけだ。食品成分表のは、オリジナルの京都版=亀屋陸奥みたいな松風ってことで決着!

ちなみに高野山で食べた精進料理のお品書きにも「松風」と書いてあった。たぶんこれ→
味噌味だったけど、ケシじゃなくて胡麻。小麦粉と水飴は含まれていると思うが、重曹はどうかなぁ。。。

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