血管は心臓と一緒にドキドキする(脈打つ)と言う話は前回書いた。脈打つのは血管の筋肉が動いているから。血管の筋肉を動かす=収縮させる仕組みは、カルシウムイオンが細胞内に入っていくことで動く。
このカルシウムイオンが入ろうとする通路に回り込んで通せんぼするのが、カルシウム拮抗薬(より正確にはカルシウムチャネル拮抗薬)。こいつがあるとカルシウムイオンが入りにくくなる=収縮しにくくなるので、血圧が上がりにくくなる。血管だけじゃなくて、心臓も平滑筋で動くので、心臓のポンプ力も落ちる=血圧が上がりにくくなる。
心臓が働きすぎて血圧が上がっているタイプの高血圧にはとても向く薬。逆に心臓が疲れ果てて弱っている場合(除脈や心不全がある)には使えない。妊婦さんもダメ。
日本では最も一般的な降圧剤、と言っていいのではないかな。良く見かける。
グレープフルーツがダメと言われるのもこれ。この薬を分解する酵素をグレープフルーツの成分が邪魔するため、お薬が想定しているよりも長く効いてしまう→血圧下がりすぎる。グレープフルーツ「ジュース」がダメ、という言われ方をする場合が多いんだけど、ジュースじゃなくてもダメだよ。グレープフルーツ風味くらいならいいだろうけど。
そういえば先日「メロゴールドは大丈夫?」と聞かれた。メロゴールドの存在を知らなかった私が「メロンは大丈夫です」と答えたら、「メロンなんて聞いてないわよ!メロゴールド!!」と一喝され、慌てて検索・・グレープフルーツの仲間であるとわかってそれもダメです、と返事したのでした。スウィーティーもルビーグレープフルーツもダメだよ。
グレープフルーツの何がどうダメなのか、実は細かくはわかってないらしい。しかしダメという結果は明らかに出ている。よくこんなのわかったよなー。想像つかない組み合わせだけど、どうやって試験したんだろう、と思いきや。本当はアルコールとの相性を調べるつもりで、アルコールが入っているかどうかわからなくするためにグレープフルーツを混ぜて飲ませたのだそうだ。アルコール入れても入れなくても、いつもより薬が効きすぎてる!!という結果が出てびっくりだったのだろうな。
系統的には2種類あって、多いのはジヒドロピリジン(DHP)系。こいつらはみんな「ジピン」で終わる。アムロジピン(ノルバスク/アムロジン)、ニフェジピン(アダラート)、シルニジピン(アテレック)、ベニジピン(コニール)など等。もうひとつのベンゾチアゼピン(BTZ)系は、ジルチアゼム(ヘルベッサー)だけ。
次回はニュースで時折見かける降圧剤の仲間を取り上げる予定。
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