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2013年6月30日

ゴシック体

先日光文社古典のトム・ソーヤの冒険を読んだ。
訳者後書きに、マーク・トウェインの文章はゴシックだ、と書いてあった。ゴシック=ゴシック体フォントだと思って読み進めると何だか話が合わない・・・ゴシックな文章を現代建築みたいにつるっとした文章で訳したら、マーク・トウェインは髭を剃られたように思うのではないか、とあって、ゴシックな文章=ゴシック建築みたいにクラシックな飾りが付いた格調の高い文章らしい、ということはわかった。

訳者の言いたいことは理解したのだが、しかし考えてみると、何で髭を剃ったみたいなつるっとした飾りのないフォントのことを「ゴシック体」って言うんだろ??

Wikiに聞いてみると、飾りのないフォントのことを「ゴシック」と表現するのは、日本と韓国だけらしい。 英語でゴシックっていうと、BlackLetterのことを言うんだって。確かにこれはゴシックぽい。

なんでこんなことになったかというと、飾りのないフォントに対して○○ゴシックという名前を付けたからなんだって。確かにCenturyGothicなんかつるっとしてるもんね。ゴシック建築なんて良く知らない日本の活字屋さんがこれを見て、飾りのない字のことをゴシックって呼ぶわけだ、と思ったのも無理はない。
ではなんでつるっとした文字に「ゴシック」と付けたのか。これらの文字が黒い部分が多い(文字が太くて目立つ)と言う意味においてBlackLetterだから、だったのだそうだ。ArialBlackのBlackのことだね。欧米の活字屋さんも、ゴシック建築なんて良く知らなかったので、黒い文字のことをゴシックって呼ぶわけだ、と思ってたんだろう。

韓国は日本語の影響を受けてしまったが、中国は日本の影響を受ける前に活字が入ったのか、飾りのないフォントを「黒体」と呼ぶのだそうで。意味としては正しいのだが、これはこれで英語でいうBlackLetterと混同しそうだよなぁ・・・

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