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2019年4月16日

ゼロ年代の50冊(7)

道元禅師(文庫3分冊)以外は1冊でそう厚くもなく、今回はさくさく進みました。

(31) 道元禅師(立松和平/新潮文庫):曹洞宗の開祖・道元の一生。叡山(天台宗)、栄西(建仁寺・臨済宗)、法然(浄土宗)との関係や違いが頭に入るし、鎌倉初期~中期の時代背景もわかりやすい。只管打座。座禅に限らず全てに作法がある。なるほど。その後、禅から茶道に向かうのも納得。

(32) 寺山修司・遊戯の人(杉山正樹/新潮社):毀誉褒貶の幅が大きい寺山修司について、デビュー当時から知る編集者が書簡形式で書いたもの。内容はともかく書簡形式というのがなんかちょっと。

(33) 真鶴(川上弘美/文春文庫):失踪した夫とその愛人?の幻影と共に真鶴へ。解決するようなしないような。愛する夫が突然別れを告げてしかも失踪したら残される方は辛いよね。しかしなんで真鶴?

(34) 日本語が亡びる時(水村美苗/ちくま文庫):増補版で。日本近代文学の貴重さ、国語教育の劣悪さ。それが招く日本文学ひいては日本語滅亡の危機について書かれたもの。確かに!!とものすごく納得。子育て世代必読、って言っても読まないだろうなぁ。もう遅いのかも。小学校の英語教育についてはなんだかなーと思っていたが、やっぱりあれはおかしいんだ。必要なのは英語というよりグローバル人材養成コースなんだね。そして国語については普通の学校でも能力別クラス分けに大賛成。良い本を読む、わからない所があっても読む、という修行は学校でやっとくべきだ。それが書く力、考える力に繋がるんだな。

(35) わたしの戦後出版史(松本正次/トランスビュー):未来社/影書房の名物編集者による様々な著者との交流。編集者の鑑!な話満載だが、これからの時代はどうなんだろう?でも文化文明に対して「本」「編集者」「出版社」(或いはマスコミ)が手をこまねいていていいのか、ってのはある。ベストセラーをたくさん読んでいるのが読書家ってわけじゃない、という意見には大賛成!

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