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2017年9月3日

若人のための100冊(4)

薄い本が多かった&他で読んでた本もあって、今回は1か月で7タイトル。再読も多かった。

(31) 空想より科学へ(エンゲルス/岩波文庫):これわかりやすいじゃん!共産党宣言より断然こちがお勧め。ユートピアンな社会主義から地に足のついた社会主義へ。目指すはサスティナブルな世界だったんだね。指摘は正しいが、大量消費社会をあきらめるのは難しいよう。

(32) 貧乏物語(河上肇/岩波文庫):貧乏な人たちのドラマかと思いきや、経済学の本。主にイギリスの論文の翻訳+考察。気持ちサヨクぽい。しかし、貧富の差を是正するために、まずはお金持ちが贅沢を自粛しましょうって。まぁでも、お金持ちはお金持ちらしく贅沢に金を使え!というよりはこっちの方が健全な気もする。

(33) 古代への情熱(シュリーマン):読み直す一冊で済み

(34) クォヴァディス(シェンキェヴィチ/岩波文庫):素直に面白かった。ネロによるキリスト教徒迫害物語。サンピエトロ寺院の成り立ちだ。これ地図が欲しかったな。タイトルに使われているクオヴァディスドミノは主よどこへ行かれるのか?の意味。しかしキリスト様はラテン語しゃべるのか?ヘブライ語じゃないのか?ローマでの布教はラテン語だったんだろうけど・・そこでパウロの登場なんだな。なんか今頃になっていろんな意味がわかってきた(笑)

(35) 武器よさらば(ヘミングウェイ):光文社古典で済み

(36) 真空地帯(野間宏/筑摩書房):ハードカバーで。太平洋戦争末期の兵隊さんの様子を書いたもの。戦地ではなく内地での待機の描写というのがAJにとっては新しかったです。息のできない真空地帯。金魚のようにパクパク。いかにもありそう。そして確かに終戦で終わった話ではない。

(37) 若きエルテルの悩み(ゲーテ/新潮文庫):100冊のタイトルはエルテルになってるけど、普通はウェルテルですね。新潮文庫もウェルテル。中学生位で読んだと思う。婚約者のいるロッテに恋してしまうウェルテル。お友達って言われてもねぇ。しかし死ななくてもねぇ。もっと早くに初恋を経験しておけば違う選択肢もあっただろうに。

(38) 羅生門・鼻・芋粥・偸盗(芥川龍之介/岩波文庫):芥川は全部読んだはずなんだけど、偸盗は初めてかも?読んだ記憶なし。泣ける話だった。全部王朝もの。しみじみとうまい人だなぁと思う。当たり前か。まあそうだよね。羅生門は特に絵画的。映画にしたくなる気持ちわかる。

(39) 萩原朔太郎詩集(三好達治編/岩波文庫):朔太郎詩集は確か新潮で持っていたので、知っている詩が多い。でも三好編良かった。「月に吠える」の白秋の序文がまたいいのだなぁ。序文が散文詩になっている。青空文庫にも入ってますので是非読んでみて。朔太郎と言えばやっぱりデビュー作の「月に吠える」なんだよなぁ。でも散文も好き。ここに「猫町」を入れてほしかったよ、三好さんよ。

(40) カラマーゾフの兄弟(ドストエフスキー):光文社古典で済み

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