先日整腸剤と消化薬は似てるけど違うと書いたら、消化薬って結局何なんだよとご指摘が(笑)。そうだった。前に「頭痛なら頭痛薬、胃痛なら胃薬」と書いたけど、頭痛薬に較べると胃薬は少しバリエーションがあるのだ。
まずは、AJ個人的に「胃薬=コレ」というイメージが強い、伝統的な胃薬の方から。
一つ目は「健胃薬」。
苦みや香りで胃を刺激するもの。食べ過ぎ飲み過ぎで胃もたれした時なんかに、もうちょっと頑張れ!と飲むお薬。AJ愛用の大正漢方胃腸薬がまさにこれ。
日本では「漢方」胃腸薬なんだけど、別に漢方の専売特許というわけではなく、英語の名前はstomachics。"stomachic"だと「胃の」という形容詞で、名詞だと健胃薬と言う意味になる。日本語の方が胃の働きを推進することがわかりやすく親切なネーミングだよね。欧米での実態はハーブとかスパイスな感じで、お薬というより健康食品やサプリの扱い?
二つ目が件の「消化薬」。
これは消化酵素のことで、健胃薬同様、胃腸よ頑張れ!と飲む薬。昔はタカジアスターゼって流行ったんだけど、たぶんもうとっくに死語だな(笑)。ジアスターゼは炭水化物を消化する消化酵素(アミラーゼ)なんだけど、胃もたれするのはむしろ脂肪分だろ、ってことなのか、脂肪を消化する消化酵素(リパーゼ)であることが多いかな。消化酵素だけのお薬というのはあまりなくて(医療用としては一応ある)、健胃剤や制酸剤その他いろいろが配合された薬になっていることが多い。
英語名はdigestant。digest=消化、なので日本語と同じ。一般的に内容をまとめたものを「ダイジェスト版」とかいうけど、あれも消化したもの、ていう意味なんだよ。食後酒のことを「ディジェスティフ」ていうのは、消化を助けるものって言う意味なんだよ(実際には呑兵衛の言い訳だと思うけどね)
AJは英語で胃薬=digestantてイメージがあるんだけど、wikiの国際分類には含まれていないので、これもサプリの扱いになってるのかもしれない。
3つ目は「制酸剤」。
こちらは出過ぎの胃酸を制する(単にアルカリで中和するだけだけど)お薬で、つまり上の二つとは逆方向。なんだけど、市販の胃腸薬は、健胃薬+消化薬+制酸剤(+α)になっていることが多いんだよな。胃を刺激しすぎても大丈夫なように、なのか、胃もたれなのか胃が働き過ぎなのかどっちにも効くように、なのか、何かわけがあるんだろうね。太田胃酸とか第一三共胃腸薬とかそんな感じの配合剤。
英語名はantiacidsで、これは国際分類にもちゃんと含まれている。
ドラッグストアで良く見る「胃腸薬」はこれら3つが主流だと思うんだけど、処方箋に良く登場するのはどれでもないのだった。
では何か?胃薬(2)に続く(笑)。
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